コードネーム(コードの名前) と セブンスコード・ナインスコード・フラットファイブ(♭5)について (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「コード」(和音) を扱う際は、
多くの場合、「Cメジャー」や「Dマイナー」といった名称が付けられて扱われます。
「Cメジャー」や「Dマイナー」といった「コード」(和音)に付けられる名称の事を「コードネーム」(コードの名前) と言います。
「コードネーム」(コードの名前) は、コードの「根音」の音(音名) のアメリカ式音名で表わされ、
そのコードが「メジャーコード」(長三和音)なのか、「マイナーコード」(短三和音)なのかが
「根音」の音(音名) の右側に英語表記されます。
※ 「根音」(こんおん) というのは、
”「コード」(和音)の元となる音(音名)” の事を指していて、
「Root」(ルート)とも呼ばれます。
メジャーコードのコードネーム表記
「ド」・「ミ」・「ソ」という音(音名)で作られるコードは、
「ド」(C)を「根音」の音(音名)とした「メジャーコード」なので、
「C Major」 というように表します。
「レ」・「ファ#」・「ラ」という音(音名)のコードであれば、
「レ」(D)を「根音」の音(音名)とした「メジャーコード」なので、
「D Major」というように表します。
※ 「メジャーコード」では、「メジャーコード」である事を意味する ” Major ” を
” M ”、” Maj”、” maj ”、” △ ” と表記したりもします。
※ また、「ド・ミ・ソ」 (または「ド・ミ・ソ・ド」など) や、
「レ・ファ#・ラ」 (または「レ・ファ#・ラ・レ」など) のような、
シンプルな「メジャーコード」の場合、
「メジャーコード」である事を意味する” Major ” を省いて、
「根音」の音の音名 (“C” や ”D”) だけで表記される事があります。
〇 例
C major コード = C
D major コード = D
マイナーコードのコードネーム表記
そして、「マイナーコード」の場合には、
コードの「根音」の音(音名) の右側に表記される文字が
” minor ” に変わります。
「ド」・「ミ♭」・「ソ」という音(音名)で作られるコードは、
「ド」(C)を「根音」の音(音名)とした「マイナーコード」なので、
「C minor」というように表します。
「レ」・「ファ」・「ラ」という音(音名)で作られるコードは、
「レ」(D)を「根音」の音(音名)とした「マイナーコード」なので、
「D minor」というように表します。
一般的に、「マイナーコード」は、
「マイナーコード」を表す ” minor ” を ” m ” (小文字の”m”) と表記するので、
「マイナーコード」 は” m ” (小文字のmを1つ)と覚えましょう。
※ また、「根音」の音(音名)に「#」や「♭」が付く場合、
「C#Major」(D♭Major)、「C#minor」(D♭minor)、
といったように表します。
「7」(セブンス) や 「9」(ナインス) のように 数字が付くコードネーム
それでは次に、「コードネーム」に付けられる数字( “7” や “9” ) について解説していきます。
「コードネーム」の右側に表記する ”Maj” や ”m” の右側に、
” 7 ”(数字の七) や ” 9 ” (数字の九) が付いている事があります。
この数字は、
”コードの「根音」の音(音名)を「1」として、付けられている数字( 7 や 9 など)の数だけ昇順で数えて、当てはまる音を付け足す”
という事を意味しています。
また、コードの「根音」の音(音名)を 「 1 」 として、付けられている数字の数だけ昇順で数える際には、
「メジャーコード」の場合は、コードの「根音」の音(音名)を「主音」とした「メジャースケール」で数えて、
「マイナーコード」の場合は、コードの「根音」の音(音名)を「主音」とした「ナチュラルマイナースケール」で数えます。
セブンスコード
例えば、「C Maj 7」という「メジャーコード」の場合、
「根音」の音(音名)の「ド」(C)から「Cメジャースケール」で昇順に数えて、
「7番目の音(音名)」を付け足すので、
「シ」(B) の音を付け足す事になります。
※ また、” 7 ” の後ろに「番目」を意味する ” th ” を付けた ” 7th ” と表記されたりもしますが、
意味は同じで、「7番目の音」の事を指していて、
” 7 ” が付く場合の呼び方は、「セブン」、「セブンス」、どちらでも問題ありません。
「Cm7」という「マイナーコード」の場合、
「根音」の音(音名)の「ド」(C)から「Cナチュラルマイナースケール」で昇順に数えて、
「7番目の音(音名)」を付け足すので、
「シ♭」(B♭) の音を付け足す事になります。
セブンスコード と メジャーセブンスコード の違い
ただ、少しややこしい事に、「メジャコード」を「根音」の音の音名 (“C” や ”D”) だけで表す「コードネーム」に ” 7” が付けられていた場合、
「メジャーコード」の構成音はそのままですが、
「コードネーム」 が 「セブンス コード」 となり、
「7番目の音」がマイナーの時の
「♭」が付いた音になります。
ですので、
「C7」(Cセブンス) なら「シ♭」(B♭)、
「Cmja7」(Cメジャーセブンス) なら「シ」(B)、
と覚えておいてください。
三和音 (さんわおん) と 四和音 (しわおん)
※ また、「ド・ミ・ソ」や「ド・ミ♭・ソ」」のように、
3つの音(音名)で作られた「メジャーコード」と「マイナーコード」の事を、
「三和音」(さんわおん) と言って、
「ド・ミ・ソ・シ」や「ド・ミ♭・ソ・シ♭」、
「ド・ミ・ソ・シ♭」のように、
7番目の音を付け足して作られた
「メジャーセブンスコード」と「マイナーセブンスコード」、
「セブンスコード」の事を、
「四和音」(しわおん) と言います。
ナインスコード – 「add9」(アドナインス) と 「9」(ナインス) の違い
それでは次に、” 9 ” の数字が付く「コードネーム」について解説していきます。
” 9 ” の数字が付く場合も少しややこしく、
9番目の音だけを付け足す場合には、
「コードネーム」の右側に ” add9 ” (アドナインス) と表記します。
※ 「add」(アド) が 「追加」の意味なので、「9番目の音を追加する」という事です。
また、「th」が付いて「add9th」と表記したりしますが、「add9」と同じ意味です。
そして、「コードネーム」に、
そのまま ” 9 ” が付けられている場合には、
「コードネーム」に
” 7 (9) ” が付けられている状態と
同じ意味を表していて、
「9番目の音」だけでなく、
「7番目の音」も合わせて付け足されます。
また、” C 9 ” 、 ” C 7(9) ” のように、
”maj”(メジャー) も ”m”(マイナー) も付かない場合、
付け足される「7番目の音」は
マイナーの時の 「♭」が付いた音になります。
※ 逆に、付け足される「7番目の音」をメジャーの時と同じ状態で表す際には、
「コードネーム」 に ” Major ” を付けて
「Cメジャーセブンスナインス」コードとして表します。
要約すると、
- 「9番目の音」だけを付け足す場合には「C add9」( Cアドナインス ) / 「Cm add9」( Cマイナーアドナインス )
- 「9番目の音」と「♭の付いた7番目の音」を付け足す場合には「C 9」=「C 7(9) 」( Cセブンスナインス ) / 「Cm 9」=「Cm 7(9)」( Cマイナーセブンスナインス )
- 「9番目の音」と「メジャーセブンスの時の7番目の音」を付け足す場合には「Cmajor 7(9)」( Cメジャーセブンスナインス )
※”major” を付ける
フラットファイブ(♭5) が付くコード
最後に、” (♭5) ” という数字が付く「コードネーム」について解説していきます。
” (♭5) ” の数字は、「フラットファイブ」と言って、
コードの構成音の中にある、
”「根音」の音(音名)の「完全五度」上の音(音名)を半音下げる事”
を意味しています。
例えば、「 C (♭5) 」というコードであれば、
「Cコード」の中の ”「根音」の音(音名)の「完全五度」上の音(音名)” を半音下げるので、
「ソ」の音を半音下げて、「ド・ミ・ソ♭」というコードになります。
また、” (♭5) ” の数字が付く場合は、
通常の「メジャーコード」と「マイナーコード」、
「セブンス」系コードと「ナインス」系コード、
何のコードにおいても、コードの構成音の中にある、
”「根音」の音(音名)の「完全五度」上の音(音名)を半音下げる事” を意味しているので、
「 CM7(♭5) 」 というコードであれば、
「CM7」(Cメジャーセブンスコード)の構成音である
「ド・ミ・ソ・シ」の「ソ」の音を半音下げて、
「ド・ミ・ソ♭・シ」という構成音のコードになります。
「コードネーム」に数字が付くコードは、
少しややこしいですが、数字が付くコードを使えば、
響きが綺麗な楽曲を作れるようになります。
また、「Cメジャーコード」で、「ド・ミ・ソ・ド」や、
「ド・ミ・ソ・ド・ミ・ソ・ド」のように、
「Cメジャーコード」の構成音である「ド」・「ミ」・「ソ」の音をオクターブずらして付け足す場合には、特に数字は付けません。