メロディーについて ~ メロディーの簡単な作り方・メロディーの繋ぎ方 ~ (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「メロディー」というのは、
日本語では「旋律」(せんりつ) と呼ばれるもので、
”音程 (音の高さの差) のある箇所もあるように
楽音(がくおん)を時間軸上に1音ずつ並べて、
1連の繋がりとして認識できるもの”
の事です。
※ 「楽音」(がくおん) というのは、
「ド」や「レ」のように音の高さが分かる音の事です。
ちなみに、打楽器などの音の高さがよく分からない音は
「噪音」(そうおん) と言います。
音楽における「リズム」というのが、
”複数の音を時間軸上に並べる事で、
時間の速さや遅さを感じさせるもの”
の事ですので、
「メロディー」というのは、
”音程のある箇所もあるように、
楽音を1音ずつ「リズム」に対して割り当てた状態”、
とも言えます。
個人的に、「伴奏」が物語における景色や情景などの役割なのに対して、
「メロディー」は物語における登場人物の役割だと考えています。
また、楽曲の中心となるメロディーの事を
「主旋律」(しゅせんりつ) と言います。
※ 「主旋律」に対して、
ハーモニーを付けるためのメロディーを「コーラス」や「ハモり」、「副旋律」(ふくせんりつ)と言います。
多くの場合、ポップスやロックなどのジャンルでは、
「主旋律」(しゅせんりつ) に歌詞を付けて「ヴォーカル」(Vocal) が歌います。
メロディーの簡単な作り方
「メロディー」の作り方は人によって様々ですが、
個人的な ”「メロディー」の簡単な作り方” は、
まず、リズムを作り、その後、そのリズムに対して、
楽曲の「キー」(調)で主に使用する音(音名)を1音ずつ割り当てていく、
という方法です。
※ 「Key : C」(ハ長調) であれば、
「Key : C」の「主音」の「ド」から始まる「メジャースケール」の
”「ドレミファソラシ」” が ”「キー」(調)で主に使う音(音名)” になります。
メロディーは4小節間で1つのまとまりになるように作られる事が多いです。
楽曲のセクション(イントロやAメロなどの事)は、
多くの場合、「8小節」、または「16小節」で作られるので、
メロディーを4小節間で1つのまとまりになるように作り、
そのメロディーを2回繰り返して「8小節」の長さにするか、
4回繰り返して「16小節」の長さにする事で、
楽曲の各セクション(イントロやAメロなどの事)のメロディーが作られます。
ですので、まず、4小節間で1つのまとまりのリズムを作ります。
4小節間で1つのまとまりのリズムを作る際には、
① 1小節の長さのリズムを1種類作り、
そのリズムを4回繰り返して4小節の長さにする
② 2小節の長さのリズムを1種類作り、
そのリズムを2回繰り返して4小節の長さにする
③ 1小節の長さのリズムを4種類作り、
その4種類のリズムを組み合わせて4小節の長さにする
④ 2小節の長さのリズムを2種類作り、
その2種類のリズムを組み合わせて4小節の長さにする
⑤ 1小節の長さのリズムを2回と、
2小節の長さのリズム1回を組み合わせて4小節の長さにする
といった感じで、様々なパターンが考えられます。
とりあえず、今挙げた5つのパターンで作った ”4小節で1つのまとまりのリズム” に対して、
楽曲の「キー」(調)で主に使用する音(音名)を1音ずつ割り当ててメロディーを作ってみます。
※ ちなみに、見て頂いている画面は、
無料で使える「Domino」という「MIDIシーケンサー」ソフトです。
※ 左側のピアノの鍵盤が音の高さを表していて、
マス目1つが「4分音符」の長さになっています。
マス目に入力される「ノート」(横棒) は音符の役割をするもので、
ノートの長さによって音の長さが決まり、
ノートがある鍵盤の位置で音の高さが決まります。
ノートが無い空白の箇所は、休符の扱いになります。
縦の濃い目の青い線は「1小節」の区切り線で、
マス目4つごとに区切っているので、
この画面は「4/4拍子」の表示になっています。
※ 「MIDIシーケンサー」や「Domino」の使い方に関しては、
Chapter 1 のページで解説しているので、お手数ですがそちらのページを参照してください。
キー(調)で使用する楽音をリズムに割り当てて簡単なメロディーを作ってみる
それでは、「キー」(調)は「C」 (「Key : C」 = 「ハ長調」)、
「拍子」は「4/4拍子」で、メロディーを作っていきます。
※ また、メロディーの雰囲気が分かりやすいように、
「F・Em・Am・G」 (Ⅳ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅴ)というコード進行を使い、
各コードを1小節の長さにして、
4小節で1まとまりにした伴奏を鳴らします。
1種類の「1小節の長さのリズム」を4回繰り返したメロディーの作り方
まずは、 ”① 1小節の長さのリズムを1種類作り、
そのリズムを4回繰り返して4小節の長さにする”、
という方法で作った4小節間のリズムに対して、
「Key : C」で主に使用する音(音名)である「ドレミファソラシ」を適当に1音ずつ割り当てて
メロディーを作ってみます。
1小節の長さのリズムは、
このようなリズムにしました。
そして、この1小節の長さのリズムを4回繰り返して4小節の長さにしています。
※ 1小節間のリズムや、2小節間のリズムの作り方は ”リズム” というページで解説しているので、お手数ですがそちらのページを参照してください。
※ メロディーのリズムを作る際には、
4分音符や8分音符を使い、
少しゆったりとした感じに作ると良いと思います。
16分音符を多用して細かいリズムにし過ぎると、
メロディーと言うよりフレーズの様な状態になります。
※ また、メロディーのリズムを作る際には、
幾つかの箇所に休符が入るようにした方が良いと思います。
音が途切れずに鳴り続けると、
単調な感じのメロディーになりやすいですし、
「ボーカル」が歌うメロディーであれば、息継ぎする箇所が必要になるので、
「ボーカル」が息継ぎする箇所としても、
ある程度、休符が入るようにリズムを作った方が良いと思います。
それでは、各ノート(横棒)を1つずつ移動させて、
「ドレミファソラシ」のいずれかの音(音名)を割り当ててメロディーを作っていきます。
※ 各ノートを「ドレミファソラシ」の音(音名)へ適当に移動させつつ、
再生してみて、メロディーの雰囲気を確かめながら作っていきます。
また、メロディーと伴奏の音が区別しやすいように、
メロディーの音はトランペット風の音色、
伴奏はピアノの音色で鳴らしています。
1小節のリズムを4回繰り返して
4小節間の長さにしたリズムに対して、
「ドレミファソラシ」の音(音名)を適当に割り当る事で、
このようなメロディーが出来上がりました。
1種類の「2小節の長さのリズム」を2回繰り返したメロディーの作り方
それでは次に、
”② 2小節の長さのリズムを1種類作り、
そのリズムを2回繰り返して4小節の長さにする”
という方法で作った4小節間のリズムに対して、
「ドレミファソラシ」を適当に1音ずつ割り当ててメロディーを作ってみます。
2小節の長さのリズムは、
このようなリズムにしました。
そして、この2小節の長さのリズムを2回繰り返して4小節の長さにしています。
それでは、各ノート(横棒)を1つずつ移動させて、
「ドレミファソラシ」のいずれかの音(音名)を割り当てて
メロディーを作っていきます。
※ 各ノートを「ドレミファソラシ」の音(音名)へ適当に移動させつつ、再生してみて、
メロディーの雰囲気を確かめながら作っていきます。
2小節のリズムを2回繰り返して
4小節間の長さにしたリズムに対して、
「ドレミファソラシ」の音(音名)を適当に割り当てる事で、
このようなメロディーが出来上がりました。
4種類の「1小節の長さのリズム」を4つ組み合わせたメロディーの作り方
それでは次に、
”③ 1小節の長さのリズムを4種類作り、
その4種類のリズムを組み合わせて4小節の長さにする”
という方法で作った4小節間のリズムに対して、
「ドレミファソラシ」を適当に1音ずつ割り当ててメロディーを作ってみます。
1小節の長さのリズムは、
このような4種類のリズムを作りました。
そして、これら4種類の「1小節の長さのリズム」を組み合わせて4小節の長さにしています。
それでは、各ノート(横棒)を1つずつ移動させて、
「ドレミファソラシ」のいずれかの音(音名)を割り当てて
メロディーを作っていきます。
※ 各ノートを「ドレミファソラシ」の音(音名)へ適当に移動させつつ、再生してみて、
メロディーの雰囲気を確かめながら作っていきます。
1小節の長さのリズムを4種類作り、
その4種類のリズムを組み合わせて4小節間の長さにしたリズムに対して、
「ドレミファソラシ」の音(音名)を適当に割り当てる事で、
このようなメロディーが出来上がりました。
2種類の「2小節の長さのリズム」を2つ組み合わせたメロディーの作り方
それでは次に、
”④ 2小節の長さのリズムを2種類作り、
その2種類のリズムを組み合わせて4小節の長さにする”
という方法で作った4小節間のリズムに対して、
「ドレミファソラシ」を適当に1音ずつ割り当ててメロディーを作ってみます。
2小節の長さのリズムは、
このような2種類のリズムを作りました。
そして、これら2種類の「2小節の長さのリズム」を
組み合わせて4小節の長さにしています。
それでは、各ノート(横棒)を1つずつ移動させて、
「ドレミファソラシ」のいずれかの音(音名)を割り当てて
メロディーを作っていきます。
※ 各ノートを「ドレミファソラシ」の音(音名)へ適当に移動させつつ、再生してみて、
メロディーの雰囲気を確かめながら作っていきます。
2小節の長さのリズムを2種類作り、その2種類のリズムを組み合わせて4小節間の長さにしたリズムに対して、
「ドレミファソラシ」の音(音名)を適当に割り当てる事で、
このようなメロディーが出来上がりました。
2種類の「1小節の長さのリズム」 2つと、「2小節の長さのリズム」 1つを組み合わせたメロディーの作り方
それでは最後に、
”⑤ 1小節の長さのリズムを2回と、
2小節の長さのリズムを1回組み合わせて4小節の長さにする”、
という方法で作った4小節間のリズムに対して、
「ドレミファソラシ」を適当に1音ずつ割り当ててメロディーを作ってみます。
1小節の長さのリズムは、
このような2種類のリズムを作りました。
2小節の長さのリズムは、
このようなリズムにしました。
そして、これらのリズムを組み合わせて4小節の長さにしています。
それでは、各ノート(横棒)を1つずつ移動させて、
「ドレミファソラシ」のいずれかの音(音名)を割り当てて
メロディーを作っていきます。
※ 各ノートを「ドレミファソラシ」の音(音名)へ適当に移動させつつ、再生してみて、
メロディーの雰囲気を確かめながら作っていきます。
1小節の長さのリズムを2回と、
2小節の長さのリズムを1回を組み合わせて4小節間の長さにしたリズムに対して、
「ドレミファソラシ」の音(音名)を適当に割り当てる事で、
このようなメロディーが出来上がりました。
このように、4小節間のリズムを、
1小節のリズムや、2小節のリズムを繰り返したり組み合わせたりして作り、
その4小節間のリズムに対して、
楽曲の「キー」(調)で主に使用する音(音名)を1音ずつ割り当てる事で、
簡単にメロディーを作る事が出来ます。
前後の小節を入れ替えてメロディーのパターンを変える
また、今紹介したリズムのパターンを入れ替えるだけでも、
別のメロディーを作る事が出来ますし、
1小節間のリズムを3つ繋げて
3小節間のリズムを作り、
3小節間のリズムと1小節間のリズムを足して4小節間のリズムにする事で、
4小節間で1まとまりのメロディーを作る事も出来ます。
メロディーを作る時に気を付ける事
メロディーを作る際に注意して頂きたいのが、
伴奏の構成音の音域とメロディーの音域が近い場合の不協和音です。
先ほど作ったメロディーのように、伴奏の音域よりも高い音域でメロディーを作る場合には、
伴奏の構成音以外の音(音名)をメロディーに使い、
不協和音になっている箇所でも、
伴奏の音とメロディーがあまりぶつかっていませんが、
伴奏と同じ音域でメロディーを作る場合には、
伴奏の構成音以外の音(音名)をメロディーに使うと、
伴奏の音とメロディーがぶつかってしまい、
その不協和音の響きで楽曲全体の音が濁ったり、
メロディーを歌う「ヴォーカル」(Volcal)の人が安定した音を出しづらくなったりします。
ですので、伴奏と同じ音域でメロディーを作る場合には、
メロディーで音を伸ばす箇所では、
極力、伴奏の構成音の音(音名) を使うようにした方が良いと思います。
「Aメロ」から「Bメロ」などへ、楽曲のセクションを展開させる際のメロディーの作り方と繋ぎ方
それでは次に、楽曲のセクション(AメロやBメロなどの事) を展開させる際のメロディーの作り方を紹介します。
少し前に説明しましたが、楽曲の各セクションは、
多くの場合、「8小節」、または「16小節」で作られます。
そして、各セクションのメロディーは、
先ほど作ったような、4小節間で1まとまりのメロディーを
繰り返したり組み合わせたりして、
8小節、または、16小節の長さにする事で、
各セクションのメロディーになります。
※ セクションの長さが16小節であれば、
4小節のメロディーを2種類組み合わせて8小節の長さのメロディーにして、
その8小節のメロディーを2回繰り返して16小節の長さにする事も多いです。
ただ、セクションがAメロから
Bメロへ展開する際などに、
Aメロのメロディーが
Bメロの直前まで繰り返されていると、
急にメロディーが切り替わる事でメロディーの繋がりに違和感が生じたり、
次のセクションへ展開する感じが薄かったりします。
セクションが変わる手前の小節でメロディーの音を長く伸ばす
次のセクションへ展開する手前の1小節における
メロディーの変更パターンで、最も簡単なのが
”音を長く伸ばす” というパターンです。
最後の小節の音を長く伸ばすと、このように、
メロディーが次のセクションへ展開していく感じになり、
セクション間におけるメロディーの繋がりの違和感が軽減されます。
また、長く伸ばす音は、
伴奏のコードの構成音にすれば、メロディーと伴奏の音が協和音になりますし、
メロディーと伴奏の音が協和音になる事で、
メロディーが節目を迎えたような感じになり、
次のセクションのメロディーへ展開しやすくなります。
セクションが変わる手前の小節でメロディーの音を短く切る
次のセクションへ展開する手前の1小節におけるメロディーの変更パターンで、もう1つ簡単なのが
”音を短く切る”、というパターンです。
※ ”音を短く切る” というパターンでも、
短く鳴らす音はコードの構成音にすると次のセクションのメロディーに展開する感じになります。
また、セクションのメロディーを終わらせる際に、
”音を長く伸ばす”、または、”音を短く切る” というパターンを使った場合には、
メロディーの終わりの音に合わせて、
伴奏の音も一緒に短く切ったり、伸ばしたりする事で、
次のセクションへ展開していく感じが より強調されるようになります。
メロディーを短く切る事で生まれた隙間に、接続詞的なメロディーを入れる
また、”音を短く切る” というパターンでセクションのメロディーを終わらせた場合、
次のセクションのメロディーが始まるまでの間、
少し隙間が出来るので、
この隙間を使って、
次のセクションのメロディーに入っていく接続詞的な役割をする短いメロディーを付けたしたりする事が出来ます。
”音を短く切る” というパターンでセクションのメロディーを終わらせて、
次のセクションのメロディーが始まるまでの隙間が気になる場合には、
このような感じで、次のセクションのメロディーに入っていく接続詞的な役割をする短いメロディーを
付けたしたりすると良いと思います。
メロディーと伴奏のリズムに気を付けよう
それでは最後に、メロディーのリズムと、伴奏のリズムの注意点について解説していきます。
ここまで解説した方法でメロディーを作った後、
伴奏のコード進行にもリズムを付けて、
メロディーと伴奏を一緒に鳴らしてみた際に、
メロディーと伴奏のリズムが少し噛み合っていない感じになる事があります。
例えば、「F・Em・Am・G」のコード進行に このようなリズムを付けて、
このメロディーを一緒に鳴らすと、
いくつかの箇所で、メロディーと伴奏のリズムが いまいち噛み合っていない感じになります。
このように、いくつかの箇所で、
メロディーと伴奏のリズムが いまいち噛み合っていない感じになる場合は、
再生して聴きながら、メロディーと伴奏のリズムが いまいち噛み合っていない箇所を探して、
その箇所のメロディーのリズムを変更するか、
その箇所の伴奏のリズムを変更します。
メロディーのリズムを重視する場合には、
メロディーのリズムに合うように伴奏のリズムを変更して、
伴奏のリズムを重視する場合には、
伴奏のリズムに合うようにメロディーのリズムを変更します。
聴いた感じだと、このメロディーと伴奏のリズムで噛み合っていない箇所は、
伴奏のコードが変わる際に、
前の小節に食い込んでコードが変わっている箇所なので、
それらの箇所のメロディーのリズムか、伴奏のリズムを変更します。
メロディーのリズムを重視する場合には、
メロディーのリズムに合うように伴奏のリズムを変更するので、
前の小節に食い込んでいるコードが変わる箇所を、
前の小節に食い込ませず、
小節の頭でコードが変わるように変更します。
※ どんなリズムがメロディーのリズムに合うか、
再生して聴いてみながら伴奏のリズムを微調節していきます。
とりあえず、メロディーのリズムに合うようになったので、
前の小節に食い込んでコードが変わっている他の箇所の伴奏のリズムも同じように変更していきます。
そうすると、こんな感じで、
メロディーと伴奏のリズムが噛み合った状態になります。
それでは次に、先ほどの噛み合ってない状態から、
伴奏のリズムに合うようにメロディーのリズムを変更してみます。
前の小節に食い込んでいるコードが変わる箇所で、
メロディーも前の小節に食い込んで音が変わるように変更します。
そうすると、こんな感じで、
メロディーと伴奏のリズムが
噛み合った状態になります。
こんな感じで、作ったメロディーと伴奏のリズムがいまいち噛み合っていない場合には、
リズムが噛み合っていない箇所を探して、
その箇所のメロディー、または伴奏のリズムを どちらかに合わせて変更してみましょう。