転回形 と 分数コード(オンコード) について (初心者でも作曲のやり方が分かる音楽理論) その 17

転回形 と 分数コード(オンコード) について     (テキストと画像での解説)

※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。

転回形」(てんかいけい) というのは、
”「メジャーコード」、または、「マイナーコード」の構成音の順番を入れ替えた形”
の事です。

※ 「構成音」(こうせいおん) というのは、
”そのコードを作るために組み合わされている音”
の事です。

Cコードの構成音
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例えば、「Cコード」という「メジャーコード」であれば、

基本的な形は、コードの「根音」の音(音名)である「ド」(C)が最も低い音として配置されて、

2音上の「ミ」、3音半上の「ソ」、というように「ド・ミ・ソ」の音(音名)が配置されますが、

Cコードの転回形
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「ド」の音を1オクターブ上に移動させて、
「ミ・ソ・ド」という配置になるように順番を入れ替えます。

このように、「メジャーコード」、または「マイナーコード」の構成音の順番を入れ替えた形を
転回形」(てんかいけい) といいます。

第1転回形 と 第2転回形

第一転回形
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このように、
本来、「Cコード」の 最低音(最も低い音) に位置する「ド」を移動させて、

「Cコード」の2番目の位置にあった「ミ」を最低音にした「転回形」を
第1転回形」(だいいちてんかいけい) と言います。

第二転回形
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そして、さらに、「ミ」の音を1オクターブ上に移動させて、

「ソ」の音を最低音にした「転回形」を
第2転回形」(だいにてんかいけい) と言います。

転回形を使う時の構成音について

多くの場合、「メジャーコード」と「マイナーコード」を使用する際には、
構成音の音(音名)を1オクターブ上に付け足して使用するので、
最低音の音(音名)を移動させるというより、

”最低音の音(音名)を抜いて、別の構成音が最低音になるようにする”、
というようにして転回形の状態にします。

伴奏で使用する時のCコードの構成音
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例えば、「Cコード」であれば、
「ド・ミ・ソ」ではなく、「ド・ミ・ソ・ド」や、
「ド・ミ・ソ・ド・ミ」といった構成で使用するので、

第一転回形の作り方
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” 最低音の「ド」を抜いて、
「ミ」の音が最低音になるようにする ”、
というようにして「転回形」を作ります。

第二転回形の作り方
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※ ただ、「第2転回形」の状態にするために、
最低音の「ミ」を抜くと、
コードの音が3音だけになり、
和音の厚みが無くなるので、

第二転回形の構成音
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オクターブ上の「ソ」など、
コードの構成音の音(音名)を付け足して、
厚みが維持されるようにしたりします。

マイナーコードの第一転回形
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「マイナーコード」の場合も同じで、

「Cマイナー」コードであれば、
最低音の「ド」を抜いて、「ミ♭」が最低音になるようにして「第1転回形」を作り、

マイナーコードの第二転回形
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「第2転回形」の状態にするために、
最低音の「ミ♭」を抜く場合には、

オクターブ上の「ソ」など、
コードの構成音の音(音名)を付け足して、
厚みが維持されるようにしたりします。

転回形のコードネームでの表し方と呼び方

「転回形」の状態にしたコードをコードネームで表す際には、
「 〇(元のコード) on 〇(最低音にした構成音) 」、
または、
「 〇(元のコード) / 〇(最低音にした構成音) 」、
というように表します。

転回形のコードネーム
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「ソ」(G) を最低音にした「Cm」(Cマイナー)コードの場合、
「Cm on G」、または、「Cm / G」、というように表します。

呼び方としては、
「シーマイナー オン ジー」(Cm on G)
というように呼びます。

転回形を使うメリット

「転回形」を利用するメリットは、
”コードの響きを維持したまま、そのコードの音の高さの微調整が出来る”、
という事が挙げられます。

例えば、「Key : Cメジャー」で、
「C・F・G・C」というコード進行パターンを伴奏として、
このようなメロディーを付けた場合に、
伴奏の音が低すぎて、
少しゴワゴワした感じがしているので、

「C・F・G・C」の各コードの音の高さを
1オクターブ上へ高くしたとします。

そうすると、今度は、コードの音が高くなり過ぎて、
伴奏の雰囲気が少しサッパリしてしまいますし、

転回形の使い方
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各コードの音と、メロディーの音がぶつかり合ってしまう箇所が出てきてしまいます。

こうした場合に、各コードの音で、
低すぎると感じる音だけを1オクターブ上に移動させて「転回形」にします。

このように、「転回形」を使う事で、
コードの響きを保ちつつ、
コードの高さを調節する事が出来ます。

ただ、そのコードの構成音であっても、最低音が変わると、
そのコードの響きが 若干、変化してしまうので、
その点も考慮して「転回形」を使うようにしましょう。

※ また、「転回形」を使う際の1つの例として
このような伴奏とメロディーでの使用方法を紹介させて頂きましたが、
実際には、先ほどのような、メロディーと伴奏の音のぶつかり合いくらいであれば、
そこまで気にする必要は無いと思います。( > < )

四和音(しわおん) での転回形

CMajor7(Cメジャー・セブンス・コード)
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また、ここまで、「ド・ミ・ソ」といった「三和音」での構成音を使った「転回形」を紹介してきましたが、
「転回形」には、「ド・ミ・ソ・シ」のように「四和音」での転回形もあります。

四和音の第一転回形
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「四和音」での「転回形」も、
「三和音」の時と同じで、

「Cメジャーセブンス」コードの場合、
「根音」の音(音名)である「ド」を1オクターブ上へ移動して、
「ミ」が最低音になった状態が「第1転回形」、

四和音の第二転回形
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「第1転回形」の最低音である「ミ」を1オクターブ上へ移動して、
「ソ」が最低音になった状態が「第2転回形」となります。

第三転回形
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そして、「四和音」の場合には、さらに、もう一段階あって、

「第2転回形」の最低音である「ソ」を1オクターブ上へ
移動して、
「シ」が最低音になった状態が「第3転回形」となります。

※ ただ、「四和音」での転回形は、
「ド」と「シ」の音が ぶつかり合って不安定な不協和音の響きに鳴り過ぎるので、
楽曲の伴奏の中で「四和音」のコードを転回形にして使用する事はあまり無いと思います。

分数コード(オンコード) について

分数コード」(オンコード)というのは、
”「メジャーコード」(または「マイナーコード」) の構成音の順番を入れ替えて最低音を変更したコード”
でもあり、

”「メジャーコード」(または「マイナーコード」) に、構成音以外の音(音名)を最低音として付け足したコード”、
の事でもあります。

つまり、ここまで解説した「転回形」のコードは、「分数コード」 (オンコード) に含まれます。

分数コード・オンコードとは
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※ また、「分数コード」は、「オンコード」とも呼ばれます。

ただ、「分数コード」(オンコード)は、
「そのコードの構成音以外の音(音名)を最低音として付け足したコード」の事も指すので、

多くの場合、「コードの構成音の順番を入れ替えて最低音を変更したコード」は「転回形」のコードとして考えて、
「コードの構成音以外の音(音名)を最低音として付け足したコード」の場合には「分数コード」として考えられます。

Cメジャーコードの最低音
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例えば、「Cコード」であれば、
構成音は「ド」と「ミ」と「ソ」の3つの音(音名)で、
通常、最低音は「ド」(C)ですが、

Cコードの最低音にレを付け足す
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構成音ではない 「レ」(D) という音(音名)を「ド」の下に付け足して最低音を 「レ」(D) にします。

このように、コードの最低音に、構成音以外の音(音名)を最低音として付け足したコードの場合は、「分数コード」 (オンコード) と呼ばれます。

分数コード・オンコードのコードネーム
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「分数コード」 (オンコード) を表す際にも、
転回形の時と同じように、

「〇(コード) on 〇(付け足した最低音)」、
または、「〇(コード) / 〇(付け足した最低音)」、
というように表します。

最低音にファを付け足したCメジャーコード
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最低音に「レ」(D)ではなく、
「ファ」(F)を付け足した場合には、
「C on F」という表記になります。

分数コードの使い方

「分数コード」は、コードのベースライン(最低音の動き)を滑らかにするためなどに用いられます。

例えば、「Key : Cメジャー」の時の代表的なコード進行パターンである「C・F・G・C」の、
「Fコード」の最低音に「レ」(D)を付けたして、「Gコード」の最低音に「ミ」(E)を付け足します。

分数コード(オンコード)の使い方
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そうすると、始めの「Cコード」の最低音である「ド」、
2番目の「F on D コード」の最低音である「レ」、
3番目の「G on E コード」の最低音である「ミ」、

というように、最低音が「ド」⇒「レ」⇒「ミ」と並んで、
ベースライン(最低音の動き)が、徐々に上がっていくような滑らかな動きになります。

ただ、バンドなどでは、基本的に、最低音はベースのパートが担当するので、
コード(和音)を鳴らすパートであるギターやピアノといった楽器では、
コードの基本形、またはセブンスなどのコードを鳴らして、

ベースのパートが、コードの構成音以外の音を最低音として鳴らして分数コードにする場合が多いと思います。

また、「分数コード」と思って使っていたけど、
”良く見たら普通のコードだった”、
という事があります。

ConAコード
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例えば、「ド・ミ・ソ」という「Cコード」に、
「ラ」の音を最低音として付け足した場合、

「C on A」(C / A)という分数コードになりますが、

「Am7」と「ConA」は同じ
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よく見てみると、
「ラ・ド・ミ」という「Amコード」に、
「Amコード」で考えた時の7番目の音(音名)である「ソ」が付け足されていると考えられるので、

「Am7コード」(Aマイナー・セブンス・コード)
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「Am7コード」という事になります。

「C on A」(C / A) というコードでも間違いという訳ではありませんが、
「Am7コード」として考えた方が分かりやすいので、
バンドなどで、楽曲のコードをメンバーに伝える際などには、
「C on A」の分数コードより、
「Am7」コードの方で伝えた方が分かりやすいと思います。

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