Domino (ドミノ) の 使い方 ~ イベントグラフペイン ~ [ Velocity ](ベロシティ) と [ PitchBend ](ピッチベンド) の調節方法 (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「イベントグラフペイン」は、ピアノロールに打ち込んだノートの”音程の変化・音の強弱” などのデータをグラフとして表示して、
そのグラフの線などを調節する事で、”音の強弱や音程の変化” などのデータを編集する事が出来るエリアです。
イベントグラフペイン上部の右側にあるボタンについて
それでは、まず、右側の各ボタンについて解説していきます。
左端のボタンは 「 Velocity (読み:ベロシティ / 音の強弱) 」 を編集するためのボタンです。
その隣にあるボタンは 「 Pitch Bend (読み:ピッチベンド / 音程の変化) 」 の編集を行うためのボタンです。
その隣にあるボタンは 「Modulation (読み:モジュレーション / 音色の変調)」 の編集を行うためのボタンです。
その隣にあるボタンは 「 Expression (読み:エクスプレッション / 音量) 」 の編集を行うためのボタンです。
その隣にあるボタンは 「 Volume (読み:ボリューム / 音量) 」 の編集を行うためのボタンです。
※ 「Expression」と「Volume」は、両方とも、音量に関するデータとなっていて、若干、音量の調節の仕方などが違いますが、そこまで違いはないので、あまり違いを気にする必要は無いと思います。
ただ、一般的に、MIDIでは、曲中で音量を変化させる際には「Expression」で音量を調節します。
その隣にあるボタンは 「Panpot (読み:パンポット / 音の左右の位置)」 の編集を行うためのボタンです。
その隣にあるボタンは 「Hold (読み:ホールド / ピアノの音を伸ばすペダル)」 の編集を行うためのボタンです。
※ その隣にある2つのボタンでは、音色を変える効果のあるデータを編集するための機能のようですが、いくつかのパターンで試してみたところ、特に効果が得られないようなので、解説は省かせていただきます。
また、隣の「Master Volume」というボタンでは、全トラックの音を合わせた全体音量が編集出来ますが、特に使用しないので、説明を省かせていただきます。
これらの各ボタンをクリックして、打ち込んだノートの ”音の強弱や音程の変化” といったデータの編集が行えますが、
※ 有料のDAWソフトでは、 内臓のMIDIシーケンサーに「Velocity」(ベロシティ) や「PitchBend」(ピッチベンド) などを編集する機能が備わっています。
また、音色の変化(Modulation)や音量(Volume)、音の定位(Pan)などは、基本的にはDAWソフト側の機能やエフェクター系のプラグインを使用して編集します。
ですので、イベントグラフペインの「Velocity」(ベロシティ) と 「Picth Bend」(ピッチベンド) の編集方法についてだけ解説していきます。
イベントグラフペイン上部の左側にある編集ツールの使い方と「Velocity」(ベロシティ)の編集方法
それでは、「Velocity」(音の強弱)の編集方法から解説していきますので、「Velocity」のボタンをクリックします。
「Velocity」ボタンをクリックすると、打ち込んでいるノートの下の位置に棒線グラフのようなものが表示されます。
この棒線が各ノートの音の強さを表していて、棒線の高さを変更することで、各ノートの音の強さを変更することが出来ます。
棒線の高さの調節は、
イベントグラフペイン上部の左側にある編集ツールを使って行います。
編集ツールの各ボタンにマウスカーソルを合わせると、
そのボタンで行える編集の仕方が表示されます。
「Velocity」の値が小さい(棒線が低い)と、音が弱くなり、値が大きいと音が強くなります。
※ また、音量自体を下げるのと、楽器を弱く弾くのとでは、音のニュアンスが違うように、「Velocity」で音を弱くするのと「Expression」で音を小さくするのでは、若干、音のニュアンスが異なります。
左から2番目の「直線」を選択した場合、グラフの箇所でドラッグして直線を描き、その直線通りにグラフを調節する事が出来ます。
左から3番目の「ゆるやかな曲線」を選択した場合、線の始まりは緩やかで、終わりの手前で急激に変化する曲線を描く事が出来ます。
左から4番目の「はやい曲線」を選択した場合、線の始まりは急激に変化して、終わりの手前から緩やかになる曲線を描く事が出来ます。
左から5番目の「S字曲線」を選択した場合、線の始まりは緩やか、中間で急激に変化、終わりの手前から緩やかになるS字の曲線を描く事が出来ます。
左から6番目の「ランダム」を選択した場合、ランダムなデコボコの線が描かれます。
※ また、ドラッグしてマウスを上(または下)に移動させると、デコボコの差が大きくなります。
右から3番目の「アンカーの表示切替」をクリックすると、グラフにアンカーポイント(グラフを調節するための点)が表示されて、アンカーポイントをドラッグしてグラフを調節できるようになります。
右から2番目の「選択ツール」と、右端の「消しゴムツール」は、エディットツールと同じ役割となっています。
※ イベントグラフペインの「選択ツール」と「消しゴムツール」を選択すると、エディットツールでも選択ツールが切り替わります。
また、「選択ツール」で、
イベントグラフペインの特定範囲を選択すると、「選択範囲へ直線・曲線を入力」のボタンが点灯して、
「選択範囲へ直線・曲線を入力」ボタンをクリックすると、
「選択範囲へ直線・曲線を入力」画面が表示されます。
「選択範囲へ直線・曲線を入力」画面では、選択している範囲の先頭から終わりまでの直線・曲線を正確に調節出来ます。
真ん中のグラフにある三角形のツマミをドラッグすると、
直線・曲線の先頭と終わりの位置を調節出来て、
「S.Value」(Start Value / 始まりの値) と、
「E.Value」(End Value / 終わりの値) に
その位置が値で表示されます。
※ 「Velocity」の値は「0~127」までの範囲と定められていますので、その範囲で値を調節します。
始値から終値までの線を、直線にするか曲線にするかなどは画面右下の「登録済みの式」で選択できます。
画面左下の「視聴」ボタンをクリックすると、調節された状態の音を確認する事が出来ます。
以上が、「Velocity」の編集方法です。
「Pitch Bend」(ピッチベンド) の編集方法
それでは次に、「Pitch Bend」の編集方法について解説していくので、「Picth Bend」のボタンをクリックします。
ボタンをクリックすると、イベントグラフペインの表示が「Picth Bend」のものに切り替わります。
「Picth Bend」は、イベントグラフの真ん中にある線を境に、上に線を描けば音程が上がり、下の方に線を引けば音程が下がる、という変化をつけることが出来ます。
イベントリストペインの
「ベンド幅」と表記されている箇所をクリックすると、
「コントロールチェンジイベントのプロパティ」画面が表示されて、
「Value」という箇所の値を「24」に変更して、
「OK」ボタンをクリックすると、
「Pitch Bend」の最小値(-8192)で2オクターブ下、最大値(8191)で2オクターブ上の音が鳴るように音程が変化します。
「ベンド幅」の値は、1ごとに「Pitch Bend」による音程の変化幅が半音ぶん広がるようになります。
ですので、「Pitch Bend」による音程の変化幅を1オクターブに設定したい場合には、
「ベンド幅」の値を「12」に設定して、
2オクターブなら「ベンド幅」の値を「24」、
3オクターブなら「ベンド幅」の値を「36」、
というように設定します。
「ベンド幅」の値は最大で「48」に設定出来るので、最大で4オクターブの変化幅に設定できます。
「ベンド幅」の値が「0」の場合、変化幅が「0」なので、「Pitch Bend」を編集しても音程が変化しなくなります。
「Pitch Bend」を編集する際にも、「フリーハンド」や「直線」などのツールを使い、直線・曲線を描いて編集する事が出来ます。
ただ、「Pitch Bend」を編集する際には、その範囲を数値で正確に編集しないと、音程を綺麗に変化させるのが難しいので、
※ ちなみに、「Pitch Bend」によって急激に音程を変化させる場合に、前のノート(音符)の音が余韻として残っていると、急激に変化させる箇所のノート間で、”きゅぅぃ~うん” といった音が入る事があります。
※ こういった場合、「Release Time」(リリース / 音の開放時間)の調節が出来るMIDI音源(プラグインなどの事) の場合には、「Release Time」を短くしてみて、「Release Time」が調節出来ないMIDI音源(プラグインなどの事) の場合には、急激に変化させる箇所のノートの長さの調節などを考慮しましょう。
※ 「Release Time」は、音の余韻の長さの事です。
※ 「Release Time」が調節出来ないMIDI音源の場合には、急激に変化させる箇所のノートの長さの調節などを考慮しましょう。

※ ただ、「Pitch Bend」で音程を変化させると、少し音色も変わってしまうので、その点を考慮して変化させるようにしましょう。
また、MIDI音源(プラグインなど) の中には、「Pitch Bend」による音程変化が行えないものもあります。
そうしたMIDI音源(プラグインなど) の音程を変化させる際には、「Pitch Shiffter」(ピッチシフター)というエフェクターを使用したりします。