「拍子」・「小節」 について (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「拍子」(ひょうし) というのは、
”一定数の「拍」のまとまり”
を表すものの事です。
基本的に、曲の伴奏やメロディーというのは、
一定数の「拍」のまとまりによって作られるリズムに合わせて作ります。
例えば、「チューリップ」という曲のメロディーを聴いてみると、
今度は、「拍」のリズムの音を鳴らしながら聴いてみます。
「チューリップ」のメロディーを聴くと、
何となく、4つの「拍」で1つのリズムになっていて、
そのリズムに合わせてメロディーが作られているように感じられたのではないかと思います。
このように、曲の伴奏やメロディーというのは、
基本的に、一定数の「拍」のまとまりのリズムに合わせて作られます。
※ 曲の伴奏やメロディーが、
一定数の「拍」のまとまりのリズムに合わせて作られる理由は、
音の表現を分かりやすくして、心地よく感じられるようにするためです。
人間には、複雑で分かりづらいものより、
単純で分かりやすいものを心地よく感じる性質があります。
また、一定範囲で物事が反復していると、
その物事をパターン化して捉えて、
分かりやすいと感じる性質が人間にはあります。
つまり、人間は、一定範囲の物事が反復していると、
分かりやすいと感じて、その物事を心地よく感じます。
音楽においても、曲の伴奏やメロディーが、
一定数の「拍」のまとまりのリズムに合わせて作られる事で、
音の表現が分かりやすくなり、心地よく感じます。
ですので、音の表現を分かりやすくするために、
基本的には、一定数の「拍」のまとまりのリズムに合わせて、
曲の伴奏やメロディーが作られます。
「拍」のまとまりの数は「拍子」(ひょうし)で表す
そして、その曲が、
”何個の「拍」のまとまりのリズムに合わせて作られているか” は、
「拍子」(ひょうし) で表されます。
「チューリップ」のように、
4つの「拍」のリズムに合わせている場合、
「4拍子」(よんびょうし) と言います。
※ ただ、曲を「4拍子」で作る場合、
「拍」を「4分音符」にした方が楽譜などがスッキリして分かりやすいので、
「4拍子」で「拍」を「8分音符」にした「8分の4拍子」(はちぶんのよんびょうし)で曲を作る事は、ほとんどないと思います。
五線譜での「拍子」の書き方
また、「4分の4拍子」などの「拍子」を「五線譜」などの楽譜に表記する際には、
「ト音記号」などの音部記号の右隣に、「4/4」というように表記します。
※ 「拍子」を表すために楽譜に表記した「4/4」などの記号を
「拍子記号」(ひょうしきごう) と言います。
「小節」(しょうせつ) について
「五線譜」などの楽譜では、
その「拍子」で表している「拍」のまとまりごとに、
縦線で区切って見やすくします。
例えば、「4分の4拍子」であれば、
「4分音符」が4つ分になった箇所で縦の線を書いて区切ります。
そして、「拍子」で表している「拍」のまとまりごとに縦線で区切った範囲を 「小節」(しょうせつ) と言います。
※ 「小節」の範囲には、
「拍」の音符が、「拍子」で表した「拍」の数だけしか入っていない事になるので、
※ 「拍子記号」の「分母の部分」は ”「拍」として定める音符” 、
「拍子記号」の「分子の部分」は ”1つの小節内における拍の数” を表している事になります。
DAWソフトでの拍子の変更
「DAW」などの作曲ソフトでは、
「BPM」(または、テンポ)を調節する箇所の周辺などに「4/4」といった表記があり、
その箇所で拍子を変更する事が出来ます。
「DAW」の「拍子」を変更すると、
その「DAW」内臓の「MIDIシーケンサー」画面に表示されている小節の線が、
その「拍子」で定義している「拍」のまとまりごとに縦線で区切られるように調節されます。
拍子の種類
「拍子」には、様々な種類がありますが、
一般的に使われる「拍子」の種類はこれらになっています。
それでは、「BPM」は「120」に固定して、
それぞれの「拍子」のリズムを聴いてみます。
※ DAWソフトの仕様として、「四分音符」が「拍」として固定されていたようで、
各拍子の「拍」は四分音符となっています。
8分の6拍子のリズム
これらの「拍子」の種類の中で、
気を付けて欲しいのは「8分の6拍子」です。
「8分の6拍子 」は、
1つの小説内に「8分音符」が6つの「拍子」になっているので、
「4分の3拍子」の1つの小節内の音符を「8分音符」にした時の見た目と同じになりますし、
「6/8」を約分すると「3/4」になります。
ですので、「8分の6拍子」と、「4分の3拍子」は、
同じような拍子だと思ってしまいますが、
「拍」のカウントの仕方としては、
「4分の3拍子」の音符を「8分音符」にした場合は、
「拍」を2つで1つのリズムとしてカウントして、
「8分の6拍子」の場合には、
「拍」が3つで1つのリズムとしてカウントします。
つまり、「8分の6拍子」と、「4分の3拍子」では、
リズムの取り方が違います。
拍子の種類の分類 ( 2拍子系・3拍子系・4拍子系 )
「拍子」の種類は、
- 「2拍子系」
- 「3拍子系」
- 「4拍子系」
という3種類に分けられます。
「8分の6拍子」は、
「8分音符」を「拍」とした「6拍子」なのですが、
「8分の6拍子」の場合、
”「拍」が3つで1つのリズム”
の事を「1拍」(いっぱく) として考えるので、
「 8分の6 拍子」は「2拍子系」に分類されます。
また、「8分の6拍子」だけでなく、
「8分の9拍子」や「8分の12拍子」などにおいても、
「拍」が3つで1つのリズムとしてカウントされて、
「8分の9拍子」や「8分の12拍子」などにおいても、
”「拍」が3つで1つのリズム”
の事を「1拍」(いっぱく) として考えるので、
「8分の9拍子」は「3拍子系」、
「8分の12拍子」は「4拍子系」、
に分類されます。
※ また、「8分の6拍子」・「8分の9拍子」・「8分の12拍子」の曲で、
曲の特定の箇所を示す際に、
”2小節目の3拍目” と言う場合には、
「8分音符」を「1拍」として扱い、
2小節目の3つ目の「8分音符」を指したりもするので、
「8分の6拍子」・「8分の9拍子」・「8分の12拍子」では、
「1拍」という言葉が、”「8分音符」を指すのか”、
”「拍」が3つで1つのリズム” の事を指すのかを、
会話と文章の内容などや、
文脈から推測する必要があるので、
その点にも注意してください。
何の拍子を使っても良い
ここまで、「拍子」の種類と、
「拍子」ごとのリズムについて解説してきましたが、
先ほど、「8分の6拍子」は、
「4分の2拍子」の音符を「8分3連符」にした状態と同じだと説明したように、
ある「拍子」のリズムを、
別の「拍子」で「3連符」などを使う事によって同じリズムを作る事が出来ますので、
”このリズムで作るなら
絶対にこの「拍子」じゃないとダメ!”
という事はなく、
好きな「拍子」で作って問題ありません。
ただ、楽曲を、五線譜などの楽譜にする際には、
「4分の2拍子」で「3連符」を使って書くより
「拍子」を「8分の6拍子」にした方が楽ですし、
楽譜を見る側も、「4分の2拍子」で「3連符」を書かれるより、
「拍子」を「8分の6拍子」にしておいてくれた方が
楽譜がスッキりして見るのが楽になります。

ですので、楽曲を誰かと一緒に作ったり、
楽譜にして誰かに演奏してもらう場合には、
楽曲のリズムに適した「拍子」を選択するようにした方が良いと思います。