アルペジオ(分散和音)について (初心者でも作曲のやり方が分かる音楽理論) その 20

アルペジオ(分散和音)について     (テキストと画像での解説)

※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。

「アルペジオ」というのは、
”コード(和音)を構成している音を同時に鳴らさずに、1音ずつ分散して鳴らす事”、
を意味しています。

※ また、「アルペジオ」は、日本語では「分散和音」(ぶんさんわおん) と言います。

通常、コードを鳴らす際には、
このように、コードの構成音を同時に鳴らしますが、

※ ちなみに、コードの構成音を同時に鳴らす事を「同時和音」(どうじわおん) と言います。

”「アルペジオ」でコードを鳴らす” という場合には、
このように、コードの構成音を同時に鳴らさずに、
1つずつバラバラに鳴らします。

コードの構成音の
どの音から順番に鳴らしても
「アルペジオ」と言います。

※ また、「アルペジオ」(分散和音) の定義は少し曖昧なところがあり、

一般的には、鳴らした音を伸ばした状態にして、
次に鳴らす音と和音の状態にしている場合のみを「アルペジオ」として扱いますが、

人によっては、鳴らした音を伸ばしたままにせず、
1音ずつ途切れさせた場合にも、
「アルペジオ」(分散和音) として扱います。

このように、「アルペジオ」(分散和音)というのは、
”コードを構成している音を同時に鳴らさずに、1音ずつ分散して鳴らす事”、
を意味しています。

コード進行を アルペジオ(分散和音) で鳴らす

「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行がありますが、
このコード進行を「アルペジオ」(分散和音) で鳴らした場合、
こんな感じになります。

( 1つ目「同時和音」で弾いた場合、2つ目は低い音から順番にアルペジオで弾いた場合、3つ目はコードの構成音を鳴らす順番を変えたアルペジオの場合 )

アルペジオで構成音の鳴らす順番をバラつかせる時の注意点

ただ、構成音を鳴らす順番をバラつかせる場合、最後に鳴らす音には注意する必要があります。

コードの構成音を同時に鳴らすのに比べて、「アルペジオ」(分散和音) でコードを鳴らす場合、
コードを構成している各音の意味合いが強調されて、最後に鳴らされた構成音の音の意味合いが特に強くなるからです。

例えば、 「Key : C」 における 「C・F・G・C」というコード進行では、

最終的に、「G」(Ⅴ) のコードから「C」(Ⅰ) のコードへ移動して「完全終止」の状態になり、
コード進行が完結した感覚になるはずですが、

このように、「アルペジオ」(分散和音) で、
コードの構成音の鳴らす順番をバラつかせた場合、

アルペジオ(分散和音)の注意点
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最後のコードである「C」の構成音(ド・ミ・ソ)の中で、
「ソ」を最後の音として鳴らすと、
最後に鳴らされた「ソ」の音の印象が強く、

「主音」の「ド」の音に
まだ到着していないような感覚になり、
あまりコード進行が完結したような感覚で終了しません。

このように、「アルペジオ」(分散和音) では、
最後に鳴らす音によってコード進行の終わり方の雰囲気が変化するので、
「アルペジオ」(分散和音) で構成音を鳴らす順番をバラつかせる場合、
最後に鳴らす音に注意しましょう。

アルペジオにリズムを付ける

また、「アルペジオ」でコードを鳴らす際には、
リズムを付ける事が多いです。

「アルペジオ」でリズムを細かく刻むと、
伴奏だけでリズミカルな楽曲を作る事も出来ます。

アルペジオ(分散和音) による曲の展開

「アルペジオ」は、楽曲の様々な場面で使われますが、
「アルペジオ」を利用する事が特に多いのは、

楽曲の「セクション」(イントロやAメロなどの事) で、
同じコード進行を利用する際に、
前後のセクションの雰囲気を変化させる時などです。

例えば、この楽曲では、「Ⅳ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅴ」(F・Em・Am・G) というコード進行をずっと繰り返していますが、
途中で、「アルペジオ」でコードを鳴らすようにしている事で、雰囲気が変わっています。

このように、同じコード進行でも、「アルペジオ」にする事によって雰囲気を変える事が出来ます。

ですので、同じコード進行を「Aメロ」や「Bメロ」で使っていて、
楽曲が単調になってしまう場合などには、
伴奏を「アルペジオ」で鳴らすようにしてみると良いと思います。

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