コード(和音)について ~ 協和音・不協和音 ~ (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「コード」(和音:わおん)というのは、
”高さの違う音が、同時に2つ以上 鳴った状態”
の事です。
例えば、「ド」と「ミ」を同時に鳴らした状態や、
「ド」と「ミ」と「ソ」を同時に鳴らした状態を
”「コード」(和音)を鳴らしている”、と言います。
また、大きく分けると、「コード」(和音)には、
「協和音」(きょうわおん) と 「不協和音」(ふきょうわおん) の2種類があります。
「ド」と「ミ」の「コード」(和音)や、
「ド」と「ミ」と「ソ」の「コード」(和音)のように、
響きが綺麗で心地よい「コード」(和音)を
「協和音」(きょうわおん)
と言います。
逆に、「ド」と「レ」の「コード」(和音)や、
「ド」と「レ」と「ミ」の「コード」(和音)のような、
響きが不安定で不快に感じる「コード」(和音)を
「不協和音」(ふきょうわおん)
と言います。
協和和音になる理由・不協和音になる理由
「協和音」(きょうわおん)のように響きが綺麗で心地よい「コード」(和音)になる理由は、
2つの音(または2つ以上の音) の周波数の比率が整っているからです。
例えば、「5Hz」と「10Hz」では、周波数の比率が、
「5Hz」から見ると「2倍」、「10Hz」からみると「1/2」、
というように整数倍の整った比率なので、
「5Hz」の音と「10Hz」の音を重ね合わせると、
「5Hz」の音 (ピンク) の2回目の振動が始まる箇所で、
「10Hz」の音 (青色) の3回目の振動が始まる箇所が重なるようになっています。
また、その後も、
「5Hz」の音(ピンク)の振動が始まる箇所で
「10Hz」の音 (青色) の振動が始まる、
というように、振動の始まりの箇所が重なっています。
このように、2つの音(または2つ以上の音) の周波数の比率が整っていると、
振動の周期が どこかで重なり合うので、綺麗に響きあって聴こえる、
という訳です。
今回は、例として、整数倍の比率になる「5Hz」と「10Hz」という周波数で説明を行いましたが、
「10Hz」と「15Hz」のように、周波数の比率が「1.5倍」といった ”整った小数倍の周波数比率” でも綺麗に響き合います。
ピアノの鍵盤で言うと、
「ド」から「ソ」のように、
「3音半」(全音3つ + 半音1つ) 離れた2つの音は
周波数の比率が「約1.5倍」になっています。
また、「ド」から「ミ」のように、
「2音」(全音2つ) 離れた2つの音は
周波数の比率が「約1.25倍」になっていて、
「ド」から「ミ♭」(レ#) のように
「1音半」(全音1つ + 半音1つ) 離れた2つの音は
周波数の比率が「約1.2倍」になっています。
ですので、「ド」・「ミ」・「ソ」の3音を同時に鳴らすと、
綺麗に響き合う 「協和音」(きょうわおん) になります。
「ド」と「ミ」の周波数比率は「約1.25倍」、
「ド」と「ソ」の周波数比率は「約1.5倍」、
「ミ」と「ソ」の周波数比率は「約1.2倍」、
「ド・ミ・ソ」の3つの周波数の比率が互いに ある程度 整っているので、
綺麗に響き合う「協和音」(きょうわおん) になる。
また、「ド」・「ミ♭」・「ソ」の3音を同時に鳴らした場合も、
綺麗に響き合う 「協和音」(きょうわおん) になります。
「ド」と「ミ♭」の周波数比率は「約1.2倍」、
「ド」と「ソ」の周波数比率は「約1.5倍」、
「ミ♭」と「ソ」の周波数比率は「約1.25倍」、
3つの周波数の比率が互いに ある程度 整っているので、
綺麗に響き合う「協和音」(きょうわおん) になる。
※ また、「ド」から「ファ」のような
「2音半」(全音2つ + 半音1つ) 離れた2つの音も
「協和音」として響きます。
逆に、「ド」と「レ」や、「シ」と「ド」のように、
「1音」(全音1つ)、
または「半音」しか音が離れていない場合、
互いの音の周波数が ぶつかり合って、
互いの周波数を乱し、
不安定な響きになります。
ですので、「協和音」を作る際には、
少なくとも2つの音を「1音半」(全音1つ + 半音1つ)離す必要があります。
また、「ド」・「ミ」・「ソ」のような「協和音」の中に「レ」を入れたとしても、
「ド」と「レ」、「レ」と「ミ」の音の周波数がぶつかり合い、
不安定な響きを作り出して「不協和音」になります。
音の高さ(周波数) が離れていれば、不協和音でも程良い心地良さが生まれる
ただ、「ド」と「レ」、
「ド」と「シ」であっても、
周波数が離れていれば、
「不協和音」ではありますが、
そこまで音がぶつかり合わなくなります。
この特性を逆に利用して、
「ド」・「ミ」・「ソ」という「協和音」に1オクターブ上の「シ」の音を付け足す事で、
少しキラびやかな感じの
「Cメジャーセブンス」(CMaj7)
という「コード」(和音) になります。
同じように、「ド」・「ミ」・「ソ」という「協和音」に
1オクターブ上の「レ」の音を付け足す事で、
また少し違ったキラびやかな雰囲気の
「Cメジャーアドナインス」(Cadd9)
という「コード」(和音) になり、
1オクターブ上の「シ」の音と
1オクターブ上の「レ」の音、
両方を付け足す事で、
先ほどよりも厚みのあるキラキラした感じの
「Cメジャーセブンスナインス」(” CM7(9) ”)
という「コード」(和音) になります。
このように、「ド」と「レ」、「ド」と「シ」のような2音であっても、
周波数が離れていれば、そこまで音がぶつからず、
逆に、「協和音」のスパイス的な役割として使う事が出来ます。
※ 「ド」と、オクターブ上の「ド」のように、
オクターブ上(またはオクターブ下)にある同じ音名のは、
周波数が「2倍、4倍….」(または「1/2」、「1/4」…)というように整数倍になるので、
「協和音」として響きます。
曲の中で使うコード(和音)について
楽曲で使用する「コード」(和音)は、
基本的に、その楽曲の「キー」(調)で ”主に使用する音(音名)” によって作られます。
※ ”「キー」(調)で主に使用する音(音名)” については、
「キー(調)について ~~~~」という動画で解説しているので、
お手数ですが、そちらを参照してください。
例えば、「Key : Cメジャー」(ハ長調) で使われる「コード」(和音) に、
「Cメジャーコード」(ド・ミ・ソ) というコードがありますが、
「Cメジャーコード」は、
「Key : Cメジャー」で ”主に使用する音(音名)” である「ドレミファソラシド」の
「ド」・「ミ」・「ソ」の音(音名) で作られています。
また、「Key : Cメジャー」(ハ長調) における基本的な「コード進行」(コードの進み方の事) に
「C・F・G・C」という「コード進行」があるのですが、
※ 「コード進行」(コードしんこう) というのは、
いくつかの「コード」(和音) を順番に鳴らす ”コードの進み方” の事です。
その「コード進行」で使われている「Fメジャーコード」も、「Gメジャーコード 」も、
「Key : Cメジャー」で主に使用する音(音名)である
「ドレミファソラシド」(Cメジャースケール)
で作られています。
このように、楽曲で使用する「コード」(和音)は、
基本的に、その楽曲の「キー」(調)で ”主に使用する音(音名)” によって作られています。