コード進行について ~ トニック・サブドミナント・ドミナント と代理コード ~ (初心者でも作曲のやり方が分かる音楽理論) その 19

  1. コード進行について ~ トニック・サブドミナント・ドミナント と代理コード     (テキストと画像での解説)
  2. 「トニック・コード」(Tonic Chord)
    1. トニック・コード の機能
    2. トニック・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合
      1. トニック・コード の 代理コードの使い方
      2. トニックコード の 代理コード ( Ⅲ と Ⅵ ) は 「トニック系」( T系 ) として扱われる
    3. トニック・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合
    4. トニックコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )
  3. 「ドミナント・コード」 ( Dominant Chord )
    1. ドミナント・コード の機能
    2. 「終止形」(しゅうしけい) – 「完全終止」(かんぜんしゅうし)・「ドミナント終止」・「偽終止」(ぎしゅうし)・「半終止」(はんしゅうし)
      1. コード進行を展開させるために「Ⅴ」(ドミナント・コード)を使う – 「半終止」(はんしゅうし)
      2. コードの途中で使われる「Ⅴ」のコード
    3. ドミナント・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合
      1. ドミナントコード の 代理コード 「Ⅶ」は 「ドミナント系」( D系 ) として扱われる
    4. ドミナント・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合
    5. ドミナントコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )
  4. サブドミナント・コード ( Subdominant Chord )
    1. サブドミナント・コード の機能
      1. 「変終止」(へんしゅうし)・「サブドミナント終止」・「アーメン終止」
      2. サブドミナント・コード は コード進行の最初と最後に使われる事も多い
    2. サブドミナント・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合
      1. 「ツー・ファイブ」 – 「Ⅱ」から「Ⅴ」への移動
      2. サブドミナント・コードの代理コード(Ⅱ、Ⅵ) を使った「偽終止」
      3. サブドミナントコード の 代理コード 「Ⅱ」は 「サブドミナント系」( SD系 ) として扱われる
    3. サブドミナント・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合
    4. サブドミナントコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )
  5. あとがき (コード進行の組み合わせ)

コード進行について ~ トニック・サブドミナント・ドミナント と代理コード     (テキストと画像での解説)

※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。


「コード進行」(コードしんこう) というのは、
”コードの進み方のパターン”、
”コードの組み合わせ方のパターン”
の事です。

基本的に、「コード進行」は、
楽曲の「キー」(調)における「ダイアトニックコード」を組み合わせて作られます。

コード進行とは
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「ダイアトニックコード」の各コードには、それぞれ機能が備わっていて、
その機能を元に、コードの組み合わせ方、コードの進め方が考えられている事が多いです。

「ダイアトニックコード」の各コードの機能は、
トニック」・「ドミナント」・「サブドミナント
という3種類に分けられます。

「トニック・コード」(Tonic Chord)

「ディグリーネーム」が「Ⅰ」のコードをトニック・コード」(Tonic Chord) と言います。

トニック・コードとは
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「トニック・コード」というのは、
「キー」(調)の「主音」(トニック)を「根音」として作られる
「メジャーコード」、または「マイナーコード」の事です。

つまり、ダイアトニックコードで「ディグリーネーム」が「Ⅰ」 ( または “Ⅰm” ) のコードが「トニック・コード」に当たります。

※ 「マイナーキー」(短調) の場合には、
「トニック・コード」は「マイナーコード」(Ⅰm)になります。

(「Key : Cm」のダイアトニックコードと、各コードの機能)

マイナーキー(短調)のトニック・コード
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トニック・コード の機能

「トニック・コード」には、コード進行の中で安定感をもたらす機能があります。

「メジャースケール」(またはマイナースケール) を聴いてみると、

「主音」の音に到達すると、
最終地点に辿り着いたような安心感を感じられたのではないかと思います。

「コード進行」においても、
「キー」(調)の「主音」を「根音」としている「Ⅰ」のコードへ最終的に到着すると、

最終地点にたどり着いたような感覚になります。

ですので、コード進行の終わりのコードを「Ⅰ」(または “Ⅰm” ) のコードにすると、

そのコード進行が最終地点に到達したような安定感のある終わり方になります。

また、コード進行を「Ⅰ」のコードで始めると、

安定した場所から始まるような感覚になります。

そのため、「Ⅰ」(または “Ⅰm” ) のコードは、
コード進行における始めのコード、
または、最後のコードとして使われる事が多いです。

※ もちろん、「Ⅰ」のコードを、必ずしもコード進行の始めと終わりにしなければいけない訳ではありませんし、

このように、コード進行の途中で、コードの流れを いったん安定させるために「Ⅰ」のコードを挟んだりもします。

トニック・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合

また、「トニック・コード」(Ⅰ、または Ⅰm) と構成音が似ているコードは、
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) の「代理コード」(だいりコード) として使用されます。

「代理コード」というのは、構成音が似ているという理由から、
コード進行の中で、そのコードの代わりに使われるコードの事です。

メジャーキー(長調)におけるトニック・コードの代理コード
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「トニック・コード」の「代理コード」は、「Ⅲ」と「Ⅵ」のコードになっています。

「Key : C」の場合、「Ⅰ」のコードの構成音は、「ド」・「ミ」・「ソ」という音になっていて、
「Ⅲ」のコードの構成音は、「ミ」・「ソ」・「シ」という音になっています。

トニック・コードの構成音
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つまり、「Ⅰ」と「Ⅲ」のコード両方とも、構成音に「ミ」と「ソ」の音が含まれていて、
構成音が似ています。

トニック・コード の 代理コードの使い方

「Ⅰ」(トニックコード) と「Ⅲ」のコードは、コードの構成音が似ているため、
コード進行の中で、「Ⅰ」のコードの「代理コード」として「Ⅲ」のコードが使われたりします。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行の、
先頭の「Ⅰ」のコードの代わりに「Ⅲ」のコードを使う、

というように「代理コード」が使われます。

※ また、コード進行の最後にある「Ⅰ」のコードの「代理コード」として「Ⅲ」のコードを使った場合、

コード進行が終わった感覚にならず、
まだコード進行が続きそうな感覚になります。

※ 「Ⅲ」のコードには、「主音」から昇順で数えて7番目の音が含まれています。

「Ⅲ」のコードには「導音」が含まれている
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※ 「主音」から昇順で数えて7番目の音は、「導音」(どうおん) といって、
もう少しで「主音」に辿り着ける一歩手前の音なので、
「主音」に向かおうとするエネルギーが強く、
”もう少しで安定した場所に行けるのに~”
といったソワソワした感覚をもたらします。

そのため、「主音」から昇順で数えて7番目の音が含まれているコードには、
まだ安定した場所に辿り着けていないような感覚が含まれています。

「Ⅲ」のコードには主音の音は含まれていない
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※ また、「Ⅲ」のコードには、「主音」の音は含まれていません。

この2つの要素が合わさっているので、
コード進行の最後を「Ⅲ」のコードにすると、

コード進行が終わった感覚にならず、
まだコード進行が続きそうな感覚になります。

「Ⅲ」のコードは「ドミナント・コード」(Dominant Chord)の代理コードでもある
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※ ちなみに、「Ⅲ」のコードは、
後ほど解説する「ドミナント・コード」(Ⅴのコード) の「代理コード」としても使われます。

先ほど紹介しましたが、「Ⅰ」の「代理コード」にはもう1つ、「Ⅵ」のコードがあります。

「Key : C」における 「Ⅵ」 のコードの構成音は、「ラ」・「ド」・「ミ」という音になっていて、
「Ⅰ」と「Ⅵ」のコード両方とも、構成音に「ド」と「ミ」の音が含まれていて、構成音が似ています。

トニック・コードの代理コード(Ⅵ)の構成音

ですので、「Ⅵ」のコードも、コード進行の中で、「Ⅰ」のコードの「代理コード」として使われたりします。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行の、
先頭の「Ⅰ」のコードの代わりに「Ⅵ」のコードを使う、

というように「代理コード」が使われます。

「Ⅵ」のコードには 「主音」の音が含まれている
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※ 「Ⅵ」のコードには、
「主音」の音は含まれているので、
「Ⅵ」のコードは、コード進行の中で、
最終地点に到着した感覚をもたらす機能は、
「Ⅲ」のコードと比べると少しはありますが、

「Ⅰ」のコードと比べると弱くなっていて、
コード進行の最後を「Ⅵ」のコードにした場合にも、
まだコード進行が続いていきそうな感覚になります。

※ また、「メジャーキー」の「Ⅵ」のコードは、
平行調の「マイナーキー」における「Ⅰ」のマイナーコードですので、

「メジャーキー」の「Ⅵ」のコードでコード進行を始めたり終わらせたりすると、
「マイナーキー」っぽい伴奏になります。

トニックコード の 代理コード ( Ⅲ と Ⅵ ) は 「トニック系」( T系 ) として扱われる

「Ⅲ」と「Ⅵ」のコードは、「Ⅰ」のコードと似た構成音となっているので、
一般的に、「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm ) と似た機能を持つコードとして、
「トニック系」(T系)というカテゴリーで扱われます。

トニックコードの代理コード(Ⅲ・Ⅵ)は「トニック系」(T系)
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※ ただ、先ほども紹介しましたが、「Ⅲ」のコードは、
この後 解説する「ドミナント・コード」(Ⅴのコード)の「代理コード」としても使われるので、
「Ⅲ」のコードは、「ドミナント系」(D系) という捉え方をする事も出来ます。

トニック・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合

また、「マイナーキー」(短調) の場合には、「Ⅵ」のコードは「トニック系」ではなく、
後ほど解説する「サブドミナント系」(SD系) として扱われます。

マイナーキー(短調)におけるトニック・コードの代理コード
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「Ⅲ」のコードは、マイナーキー(短調)の場合にも「トニック系」(T系) として扱われます。

マイナーキー(短調)の場合も、代理コードの使い方は同じで、
コード進行の中にある「Ⅰm」のコードの代わりに「Ⅲ」のコードを使います。

トニックコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )

トニックコードの代理コード(Ⅲ・Ⅵ)は「トニック系」(T系)
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一般的に、「トニック系」の「Ⅲ」と「Ⅵ」のコードは、
”「トニック・コード」に似た機能や役割を果たすコード”
というように説明されたりしますが、

個人的には、「Ⅲ」・「Ⅵ」のコードは、
「Ⅰ」のコードと比べて安定感をもたらす機能は あまり無いように感じるので、

「Ⅲ」・「Ⅵ」のコードの機能や役割は、
「Ⅰ」のコードの ”コード進行における機能や役割” と別のものとして考えて、

単純に、”「Ⅰ」の「代理コード」として使える”、
というくらいに考える方が良いのではないかと思っています ( ^ ^ )

「ドミナント・コード」 ( Dominant Chord )

「ディグリーネーム」が「Ⅴ」のコードを「ドミナント・コード」 ( Dominant Chord )と言います。

ドミナント・コードとは
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「ドミナント・コード」というのは、
「キー」(調)の「主音」の「完全五度」上の音を「根音」として作られる「メジャーコード」、
または「マイナーコード」の事です。

つまり、「ディグリーネーム」が「Ⅴ」 ( または “Ⅴm” ) のコードが「ドミナント・コード」に当たります。

「主音」の「完全五度」上の音を「属音」(ぞくおん、Dominant)
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※ 「キー」(調)の「主音」の「完全五度」上の音の事を「属音」(ぞくおん)といって、
「属音」の事を英語で「Dominant」(ドミナント)と言います。

※ また、「マイナーキー」(短調) の場合には、
「ドミナント・コード」は「マイナーコード」(Ⅴm)になります。

(「Key : Cm」のダイアトニックコードと、各コードの機能)

マイナーキー(短調)のドミナント・コード
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ドミナント・コード の機能

「ドミナント・コード」には、コード進行の中で、
「トニック・コード」に移動しようとする機能があります。

「ソ」から「ド」のように、ある音から「完全四度」上、
または、「完全五度」下の音へ移動する事を、
「強進行」(きょうしんこう) といって、
音の繋がりが自然で、なおかつ、音同士の力強い繋がりを感じさせます。

「Ⅴ」の根音から、「Ⅰ」の根音までの音程差は、
「完全四度」上 (または「完全五度」下)になっているので、
音の繋がりが「強進行」となり、自然で力強い音の繋がりを感じさせます。

また、「Ⅴ」のコードの構成音には、
「主音」から昇順で数えて7番目の音である「導音」(どうおん) と、
「主音」から昇順で数えて2番目の音が含まれています。



「主音」から昇順で数えて2番目の音は、「導音」ほどではないですが、
「主音」に移動しようとする性質があります。



そして、「主音」から昇順で数えて2番目の音と「導音」を和音で鳴らすと、
「主音」に向かおうとする性質がより強くなります。



そのため、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) は、
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) へ移動しようとする機能を備えています。



もちろん、「Ⅴ」のコードの後に、必ず「Ⅰ」のコードへ移動しなければいけない、という訳ではありません。

例えば、「Ⅴ」のコードの後に「Ⅳ」のコードに移動したり、

「Ⅴ」のコードの後に「Ⅵ」のコードへ移動してもスムーズなコード進行の流れになります。

ただ、「Ⅴ」のコードの後、「Ⅰ」のコードへ移動すると、
コード進行の流れが最終地点に完全に到着したような感覚にする事が出来ます。

ですので、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) は、
コード進行の終わりに、「Ⅴ」から「Ⅰ」へ移動する、
というように使われたりします。

ドミナントからトニックは完全終止
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例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」
(「Key : C」における「C・F・G・C」) というコード進行がありますが、

3つ目の「Ⅴ」のコードによって
「Ⅰ」のコードに移動しようとする機能が働き、

「Ⅴ」の次のコードを「Ⅰ」のコードにすると、
コード進行の流れが最終地点に完全に到着したような感覚になり、

1塊りのコード進行が完全に終わったような、
まとまりのある状態になります。

他にも、「Ⅳ・Ⅱ・Ⅴ・Ⅰ」
(「Key : C」における「F・Dm・G・C」) というコード進行や、

「Ⅵ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」
(「Key : C」における「Am・F・G・C」) というコード進行がありますが、

これらのコード進行においても、
コード進行の終わりに「V」のコードを使い、
その後、「Ⅰ」のコードへ移動する事で、

コード進行の流れが最終地点に到着したような感覚になり、
1塊りのコード進行が終わったような、まとまりのある状態になっています。

このように、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) は、
コード進行の終わりに、「Ⅴ」から「Ⅰ」へ移動する、
というように使われたりします。

「終止形」(しゅうしけい) – 「完全終止」(かんぜんしゅうし)・「ドミナント終止」・「偽終止」(ぎしゅうし)・「半終止」(はんしゅうし)

また、コード進行の流れが1つの終わりを形作る事を、
音楽用語で「終止形」(しゅうしけい)といって、

完全終止・ドミナント終止とは
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「Ⅴ」(ドミナント・コード)から「Ⅰ」(トニック・コード)へ移動して、
コード進行がしっかり完結したような終わり方を、
「完全終止」(かんぜんしゅうし)、または「ドミナント終止」と言います。

逆に、コード進行の終わりで「Ⅴ」を使って、

「Ⅴ」の後に「Ⅰ」へ移動せず、「Ⅰ」の「代理コード」である「Ⅲ」に移動したり、

「Ⅰ」の「代理コード」である「Ⅵ」に移動したりすると、
コード進行がまだ続いていくような感覚になります。

ですので、1塊りのコード進行として完結した状態で終わらせずに、
コード進行の流れが続くようにしたい場合には、
コード進行の終わりで「Ⅴ」のコードを使い、
その後、「Ⅰ」のコードへ移動せずに、「Ⅲ」や「Ⅵ」に移動させたりします。

※ また、コード進行の終わりで、
「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) を使った後、
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) へ移動せず、

「Ⅰ」の代理コードである「Ⅲ」や「Ⅵ」のコードへ移動したり、

後ほど解説する「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) や、
「サブドミナント・コード」の「代理コード」である「Ⅱ」のコードへ移動してコード進行を終える事を、
音楽用語で 「偽終止」(ぎしゅうし) と言います。

偽終止とは
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コード進行を展開させるために「Ⅴ」(ドミナント・コード)を使う – 「半終止」(はんしゅうし)

他にも、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) は、
コード進行を展開させる際などに、
コード進行の最後のコードとして使われたりします。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行を2回繰り返した後、
「Ⅲ・Ⅳ・Ⅱ・Ⅰ」というコード進行へ展開して、「Ⅲ・Ⅳ・Ⅱ・Ⅰ」も2回繰り返し、
再び、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行へ展開して、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行を2回繰り返す、

というように、あるコード進行から別のコード進行へ展開する際に、
急にコード進行が変わると、コード進行同士の繋がりが少し不自然に感じられたり、
物足りない感じがしたりすると思います。

ですので、各コード進行の2回目の繰り返しで、
コード進行が終わる際のコードを「Ⅴ」のコードに変更します。

そうすると、前のコード進行から 次のコード進行へ展開する際の繋がりが、
自然な流れで繋がっているように聴こえると思います。

※ 個人的な見解になりますが、「Ⅴ」のコードをコード進行の最後にすると、
「Ⅴ」のコードの ”「Ⅰ」のコードへ移動しようとするエネルギー” が残ったままになる事で、コード進行が完結できていない感覚が強調されて、
コード進行の流れが完結せずに丸投げされたような宙ぶらりん状態になり、

それまでのコード進行の流れが一度リセットされたような感覚になって、
別のコード進行へ移動しやすくなるので、
それまでのコード進行とは異なる別のコード進行へ移動しても違和感が少なく、
自然に繋がりやすくなるのだと思います。

このように、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) は、
コード進行を展開させる際などに、
コード進行の最後のコードとして使われたりします。

また、コード進行をいったん完結させた後、
「ドミナント・コード」を移動して長めに鳴らす事で、
別のコード進行へ展開させたりする事も出来ます。

※ このように、「Ⅴ」のコードを使って、
コード進行の流れを一度リセットするような状態で終わらせたり、
先ほどのように、コード進行の最後に「Ⅴ」のコードを使って、
コード進行の流れを一度リセットするような状態で終わらせる事を、
音楽用語で 「半終止」(はんしゅうし) と言います。

半終止とは
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※ ちなみに、コード進行の終わりを「Ⅴ」から「Ⅵ」などに移動する「偽終止」にした場合、
「Ⅴ」の時と同じく、コード進行が完結していない感覚はあるので、
コード進行の流れが繋がっている感じがしますが、
「偽終止」の場合には、コード進行の流れがリセットされたような感覚は少なく、
コード進行の流れが持続している感覚が強いです。



※ ですので、「偽終止」は、同じコード進行を繰り返す伴奏などで、
コード進行の流れに変化を付けて単調な雰囲気になるのを防ぐために使ったり、


2種類のコード進行を結合して 1つのコード進行にまとめるために使われたりします。

※ そして、コード進行の流れを一度リセットして、
別のコード進行へ展開する場合などには、
先ほどのように、「半終止」が使われる事が多いです。

コードの途中で使われる「Ⅴ」のコード

他にも、「Ⅴ」のコードは、コード進行の途中で使われたりもします。

例えば、有名なコード進行パターンに「カノン進行」と呼ばれるものがありますが、

「カノン進行」は、「I・V・VIm・IIIm・IV・I・IV・V」 というコード進行になっていて、
「Ⅴ」のコードをコード進行の途中に使っています。

このように、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) も、
「トニック・コード」と同じく様々な使われ方をします。

※ ただ、コード進行の始めに「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) が使われる事は ほとんど無いと思います。

ドミナント・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合

「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) にも「代理コード」が存在していて、
「Ⅲ」と「Ⅶ」のコードが「ドミナント・コード」の「代理コード」になります。

「Key : C」の場合、「Ⅴ」のコードの構成音は「ソ」・「シ」・「レ」になっていて
「Ⅲ」のコードの構成音は「ミ」・「ソ」・「シ」なので、
「ソ」と「シ」が「Ⅴ」のコードと同じになっています。

ドミナント・コード(Dominant Chord)の代理コード
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また、「Ⅶ」のコードの構成音は「シ」・「レ」・「ファ」なので、
「シ」と「レ」が「Ⅴ」のコードと同じになっています。

ですので、「Ⅲ」と「Ⅶ」のコードは、コード進行の中で、
「Ⅴ」のコードの「代理コード」として使われます。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行の、
3つ目の「Ⅴ」のコードの代わりに「Ⅲ」のコードを使う、
というように「Ⅴ」のコードの「代理コード」として「Ⅲ」のコードを使ったり、

「Ⅴ」のコードの代わり「Ⅶ」のコードを使う、
というように「Ⅴ」のコードの「代理コード」として「Ⅶ」のコードを使ったりします。



※ ただ、「Ⅴ」の代理コードとして「Ⅶ」を使う場合に、
「Ⅶ」のコードと、次のコードとの音の高さが離れすぎていると、
コードの繋がりが不自然になるので、
「Ⅶ」のコードを転回形にした状態で1オクターブ下げて使うようにした方が良いと思います。



※ また、「半終止」にするために、コード進行の最後を「Ⅴ」のコードにした時の 「Ⅴ」の「代理コード」として「Ⅲ」と「Ⅶ」のコードを使った場合、

コード進行の流れが一度リセットされるような感覚は少なく、
コード進行の流れが継続される感覚になりますし、
「半終止」と呼ぶのはコード進行の最後が「Ⅴ」のコードの時だけなので、
コード進行などの最後に「Ⅴ」の「代理コード」の「Ⅲ」と「Ⅶ」を使った場合には「半終止」とは呼びません。

偽終止のパターン
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※ この画像のように、
コード進行の最後に「Ⅴ」から「Ⅲ」、「Ⅴ」から「Ⅶ」に移動する場合は、
「偽終止」になります。

ドミナントコード の 代理コード 「Ⅶ」は 「ドミナント系」( D系 ) として扱われる

「Ⅴ」のコードと似た構成音になっている「Ⅶ」のコードは、
一般的に、「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) と似た機能を持つコードとして、
「ドミナント系」(D系) というカテゴリーで扱われます。

「Ⅶ」のコードは「ドミナント系」(D系)
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「Ⅲ」のコードは、「Ⅴ」のコードと構成音が似ていますが、
一般的に、「トニック系」として扱われる事が多いです。

※ ただ、音楽の教本などによっては、
「Ⅲ」のコードを「ドミナント系」として扱かったりもしますので、

「Ⅲ」のコードは、「トニック系」と「ドミナント系」、
どちらにも分類される、と覚えておく方が良いかもしれません。

ドミナント・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合

マイナーキー(短調)におけるドミナント・コードの代理コード
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マイナーキー(短調)の場合においても、
「ドミナント・コード」の代理コードは「Ⅲ」と「Ⅶ」のコードで、
「ドミナント系」(D系)として扱われるのは「Ⅶ」のコードのみとなっています。

ドミナントコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )

コード進行はダイアトニックコードの七つのコードを組み合わせて作られる
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「Ⅶ」のコードは不安定な響きが強いため、
安定感を感じさせる「トニック・コード」(Ⅰ) へ戻ろうとするエネルギーが「ドミナント・コード」よりも強くなるので、
「Ⅶ」のコードは「トニック・コード」(Ⅰ) へ戻す時に使われる事がほとんどだと思います。

ですので、「Ⅶ」のコードの機能や役割は、
「ドミナント・コード」の ”コード進行における機能や役割” と別のものとして考えて、
”「トニック・コード」へ戻す時に、「ドミナント・コード」の「代理コード」として使える”、
というくらいに考える方が良いのではないかと思っています ( ^ ^ )

サブドミナント・コード ( Subdominant Chord )

「ディグリーネーム」が「Ⅳ」のコードを「サブドミナント・コード」 ( Subdominant Chord ) と言います。

サブドミナント・コードとは
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「サブドミナント・コード」というのは、
「キー」(調)の「主音」の「完全四度」上の音を「根音」として作られる「メジャーコード」、
または「マイナーコード」の事です。

主音の「完全四度」上の音を 「下属音」(かぞくおん・サブドミナント)と言う
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※ 「キー」(調)の「主音」の「完全四度」上の音の事を
「下属音」(かぞくおん)といって、
「下属音」の事を英語で
「Subdominant」(サブドミナント) と言います。

※ 「マイナーキー」(短調) の場合には、
「サブドミナント・コード」は「マイナーコード」(Ⅳm)になります。

(「Key : Cm」のダイアトニックコードと、各コードの機能)

マイナーキー(短調)におけるサブドミナント・コード
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サブドミナント・コード の機能

「サブドミナント・コード」は、
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) と 「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) 、
どちらにも移動しやすいだけでなく、

「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) と 「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) 、
また、ダイアトニックコードのその他のコードからも移動しやすい機能が備わっています。



※ 個人的な見解になってしまうのですが、
ダイアトニックコードの各コードと「サブドミナント・コード」が互いに移動しやすいのには、
2つ理由があると思います。

※ まず1つ目に、
”「主音」の音が含まれていて、なおかつ、「主音」から昇順で数えて2番目の音と「導音」が含まれていない”、
という理由が挙げられると思います。

サブドミナント・コードの構成音
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「主音」の音が含まれていて、
なおかつ、「主音」から昇順で数えて2番目の音や「導音」が含まれていない事によって、
コード進行の中で、ほどほどに安定した感覚をもたらすので、
他のコードから移動してきやすく、
他のコードへも移動しやすいのではないかと思います。

メジャーキー(長調)のサブドミナント・コード
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マイナーキー(短調)のサブドミナント・コード
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※ 2つ目に、
”「メジャーキー」(長調)の場合には、
「サブドミナント・コード」は「メジャーコード」で、

「マイナーキー」(短調)の場合には、
「サブドミナント・コード」は「マイナーコード」になっている”、
という理由が挙げられると思います。

メジャーキーにおける「Ⅵ」のコード
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マイナーキーにおける「Ⅵ」のコードの構成音
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※ 「Ⅵ」のコードにも、「主音」の音が含まれていて、
なおかつ、「主音」から昇順で数えて2番目の音や「導音」が含まれていませんが、

「Ⅵ」のコードは、
「メジャーキー」(長調)の場合には「マイナーコード」になっていて、
「マイナーキー」(短調)の場合には「メジャーコード」になっています。

※ そのため、「メジャーキー」(長調)で「Ⅵ」のコードを
使うと、
明るい曲調の中に少し暗い響きが入り込んできて、
どことなく緊張感を感じさせられます。

※ 「マイナーキー」(短調)の場合には、
「Ⅵ」のコードを使うと、
暗い曲調の中に明るい響きが
入り込み、
大きく曲調が変化してしまいます。

※ つまり、「Ⅵ」のコードは、コード進行の流れにおいて、雰囲気を変化させます。

※ それに対して、
「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) は、
「メジャーキー」(長調)の場合には「メジャーコード」、

「マイナーキー」(短調)の場合には、
「マイナーコード」になっていて、
曲の雰囲気は変わりません。

※ こうした理由から、「サブドミナント・コード」は、
他のコードから移動してきやすく、
他のコードへも移動しやすいのではないかと思います。

ですので、「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) は、
コード進行の中で、各コードを繋ぐために使われたりします。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」
(「Key : C」における「C・F・G・C」) というコード進行では、

2つ目の「Ⅳ」のコードによって、
1つ目の「Ⅰ」から 3つ目の「Ⅴ」のコードへ移動していくコードの流れがスムーズな繋がりになっています。

トニックからサブドミナントは強進行
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※ ちなみに、「Ⅰ」(トニック・コード) から「Ⅳ」(サブドミナント・コード) への移動は、
「完全四度」上の音へ移動しているので、
「強進行」となっています。

他にも、「Ⅰ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅰ」
(「Key : C」における「C・Em・F・C」) というコード進行では、

3つ目の「Ⅳ」のコードによって、
2つ目の「Ⅲ」から 最後の「Ⅰ」のコードへ移動していくコードの流れがスムーズな繋がりになっています。

「変終止」(へんしゅうし)・「サブドミナント終止」・「アーメン終止」

サブドミナント終止・アーメン終止・変終止とは
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※ また、「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) から
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) へ移動してコード進行を終えると、

コード進行の終わり方が、
「Ⅴ」(ドミナント・コード) から「Ⅰ」(トニック・コード) で終わる「完全終止」の時と比べて、
少し ゆったりとした終わり方になります。

このように、コード進行の終わり方で、
「Ⅳ」(サブドミナント・コード) から 「Ⅰ」(トニック・コード) へ移動して、
少し ゆったりとした終わり方にする事を、

「変終止」(へんしゅうし)、
または、「サブドミナント終止」、
または、「アーメン終止」、
と言います。

サブドミナント・コード は コード進行の最初と最後に使われる事も多い

「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) は、
コード進行の最初と最後に使われる事も多いです。

例えば、「 Ⅳ ・ Ⅰ ・ Ⅴ ・ Ⅳ 」(「Key : C」における「 F ・ C ・ G ・ F 」) というコード進行では、

最初のコードと、最後のコードが「サブドミナント・コード」になっています。

ドミナントからサブドミナントで終わると偽終止
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※ ちなみに、コード進行の終わりで、
「ドミナント・コード」(Ⅴ、またはⅤm) の後に
「トニック・コード」(Ⅰ、またはⅠm) へ移動せず、

「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) に移動しているので、
このコード進行は「偽終止」(ぎしゅうし) の終わり方になっています。

※ また、「偽終止」に限らず、
コード進行の最後を「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm) にすると、
少し落ち着いた雰囲気はあるけれど、
まだコード進行が続きそうなフワフワした浮遊感を感じさせる終わり方になります。

サブドミナント・コード の 代理コード – メジャーキー(長調) の場合

「サブドミナント・コード」(Ⅳ、またはⅣm)の「代理コード」は、
「Ⅱ」と「Ⅵ」のコードになっています。

サブドミナント・コードの代理コード
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ですので、「Ⅱ」と「Ⅵ」のコードは、
コード進行の中で、「Ⅳ」のコードの「代理コード」として
使われます。

例えば、「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行の、
2つ目の「Ⅳ」のコードの代わりに「Ⅱ」のコードを使う、

というように「Ⅳ」のコードの「代理コード」として「Ⅱ」のコードを使ったり、

「Ⅳ」のコードの代わりに「Ⅵ」のコードを使う、

というように「Ⅳ」のコードの「代理コード」として「Ⅵ」のコードを使ったりします。

「ツー・ファイブ」 – 「Ⅱ」から「Ⅴ」への移動

ツーファイブとは
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※ ちなみに、先ほどの「Ⅰ・Ⅱ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行の中にあった、

「Ⅱ」のコードから「Ⅴ」のコードへ移動するコードの動きを
ツー・ファイブ」と言います。

※ 「Ⅱ」のコードの「根音」から、
「Ⅴ」のコードの「根音」までの音程は「完全四度」上なので、
「強進行」となっています。

そのため、「Ⅱ」のコードから「Ⅴ」のコードへ移動すると、
コード同士の力強い繋がりが強調されます。

ですので、「Ⅴ」のコードへ移動する前のコードに、
「Ⅱ」のコードを使用して、
「ツー・ファイブ」の状態にする事が多いです。

コード進行の最後を「Ⅴ」のコードにして「半終止」の状態でコード進行を終わらせる際にも、

「ツー・ファイブ」の動きを使う事が多いので、
覚えておいて頂ければと思います。

サブドミナント・コードの代理コード(Ⅱ、Ⅵ) を使った「偽終止」

また、コード進行を「Ⅴ」(ドミナント)から「Ⅳ」(サブドミナント)のコードへ移動して終わらせる「偽終止」の場合に、
「Ⅳ」(サブドミナント)の「代理コード」である「Ⅱ」と「Ⅵ」のコードを使った場合にも、
「偽終止」と言いますが、

コード進行の最後を「Ⅱ」のコードにすると、
「Ⅳ」(サブドミナント)のコードの時ほど、
コード進行が終わったような落ち着いた感覚にはならず、
コード進行の最後を「Ⅵ」のコードにすると、
まだコード進行が続いていく感覚が強くなります。

サブドミナントコード の 代理コード 「Ⅱ」は 「サブドミナント系」( SD系 ) として扱われる

「Ⅳ」のコードと似た構成音になっている「Ⅱ」のコードは、
一般的に、「サブドミナント・コード」(Ⅳ) と似た機能を持つコードとして、
「サブドミナント系」(SD系) というカテゴリーで扱われます。

「Ⅱ」のコードは 「サブドミナント系」(SD系)
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※ 「Ⅵ」のコードも「Ⅳ」のコードと構成音が似ていますが、
「Ⅵ」のコードは「トニック・コード」の「代理コード」なので、
「トニック系」として扱われます。

サブドミナント・コード の 代理コード – マイナーキー(短調) の場合

「マイナーキー」(短調)におけるサブドミナントの代理コード
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「マイナーキー」(短調) の場合には、
「Ⅵ」のコードは「トニック系」ではなく「サブドミナント系」として扱われるので、

「マイナーキー」(短調)では、
「Ⅱ」と「Ⅵ」のコードが「サブドミナント系」に分類されます。

サブドミナントコードの代理コードに対しての個人的な解釈 ( ^ ^ )

マイナーキー(短調)におけるサブドミナント・コード
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「サブドミナント・コード」(Ⅳ) と違い、
「Ⅱ」とコードでコード進行を終わらせると、
まだコード進行が続いていきそうな雰囲気が強くなり、
コード進行の終わりが投げっぱなしの感じになります。

ですので、「Ⅱ」のコードを「サブドミナント・コード」の代理コードとして使う際には、
コード進行の途中にある「サブドミナント・コード」(Ⅳ) の代理コードとして使われる事が多いです。

例: 「Ⅰ・(Ⅳ)・Ⅴ・Ⅰ」 ⇒ 「Ⅰ・(Ⅱ)・Ⅴ・Ⅰ」

もちろん、意図的に、コード進行の終わりを投げっぱなしにする事もあるので、
「Ⅱ」のコードをコード進行の終わりに使っても良いと思います。

ただ、基本的には、「Ⅱ」のコードの機能や役割は、
「サブドミナント・コード」の ”コード進行における機能や役割” と別のものとして考えて、
”コード進行の中で、コードの間を繋ぐ役割を果たしている「サブドミナント・コード」の「代理コード」として使える”、
というくらいに考える方が良いのではないかと思っています ( ^ ^ )

あとがき (コード進行の組み合わせ)

だいぶ長くなってしまいましたが、
「トニック」・「ドミナント」・「サブドミナント」の
それぞれの機能についての解説は以上となります。

コード進行は、ここまで解説してきた、
「トニック」・「ドミナント」・「サブドミナント」の
それぞれの機能を元に考えられる事が多いですが、

あまり機能にとらわれずに、
「ダイアトニックコード」の各コードを繋いでみて、
イメージに合うコード進行になれば、
それで問題ないと思います。

また、コード進行だけで聴くと、
違和感があるコードの流れになっていたとしても、
逆に、そのコード進行の違和感が独特の雰囲気を出すようになる事もあります。

例えば、「Ⅴ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」というコード進行は、
コード進行が「ドミナント・コード」から始まっているので
コード進行の始まりに違和感があります。

「ドミナント・コード」から「Ⅱ」のコードへ移動すると、 コードの繋がりに少し違和感を感じる
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また、「ドミナント・コード」から「Ⅱ」のコードへ移動すると、
コードの繋がりに少し違和感を感じるので、

「Ⅴ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」というコード進行だけで聴くと、
どことなくコード進行の流れの違和感が強い感じがします。

ただ、この「Ⅴ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」というコード進行に、
このようなメロディーを付けると、

「Ⅴ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」というコード進行にあったコードの流れの違和感が、
逆に独特の雰囲気に感じられると思います。

このように、メロディーが付くことで、
コード進行の違和感が独特の雰囲気に変化したりします。

※ ちなみに、「Ⅴ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ」というコード進行にリズムを付けて伴奏らしい状態にすると、
独特な雰囲気が変化します。

また、「ドミナント・コード」から「Ⅱ」のコードへ移動すると少し違和感がありますが、

「Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ・Ⅰ」というコード進行で、
「ドミナント・コード」から「トニック・コード」へ移動する間に「Ⅱ」のコードを入れるような場合には、

「ドミナント・コード」から「Ⅱ」のコードへ移動した時の
違和感がほとんどなくなります。

サブドミナント終止(変終止)の終わり方
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※ ちなみに、この場合、「Ⅴ」(ドミナント)と「Ⅰ」(トニック)の間に「Ⅱ」を挟んでいるので、
「Ⅴ」(ドミナント)から「Ⅰ」(トニック)への「完全終止」(ドミナント終止)ではなく、
「変終止」(サブドミナント終止) 扱いになります。

このように、コード進行は、リズムを変えたり、
メロディーを付けたりする事で、
違和感があった状態から独特の雰囲気に変わったり、
自然な繋がりに変化したりするので、

あまり、「トニック」・「ドミナント」・「サブドミナント」の機能にとらわれずに、
「ダイアトニックコード」の各コードを組み合わせてみると良いと思います。

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