五線譜 ~ ドレミファソラシドの書き方・臨時記号・調号について ~ (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「五線譜」では、
五本の線の線上、または、線の間の どの位置に音符(おんぷ)があるのかによって音の高さが決まってきます。
五線譜の左端には、
「音部記号」(おんぶきごう)
と呼ばれる記号が表記されます。
この五線譜の左端に表記されているのは「ト音記号」という音部記号で、
この音部記号が五線譜に表記されている場合、
五線譜の下から2番目の線上に音符があると「ソ」(G4 / 一点ソ) を表します。
※ 「ト音記号」以外にも、「へ音記号」などの「音部記号」がありますが、
ここでは「ト音記号」での「ドレミファソラシド」の書き方だけ解説していきます。
左側に書かれている音部記号で定めた音(音名)の高さから、
下方向へ音(音名)が順番に下がり、上方向へ音(音名)が順番に上がるように書き表されます。
上の画像のように、「ト音記号」が左端にある五線譜では、
下から2本目の線上にある音符の「ソ」から順に、線の間と、次の線の上に音符を書いていき、
下方向への音符に「ファミレド….」、上方向への音符に「ラシド….」、というように音(音名)を書き表します。
また、「C4」の「ド」のように、五本の線から離れてしまう音の高さには、
音符に横線を付けて、六本目の線を簡易的に表します。
そして、「C4」の「ド」より下の音(音名)を表す際には、
簡易的な線を増やしながら、簡易的な線の下と線上に音符を書いていきます。
「C5」の「ド」より上の音(音名)を表す際には、そのまま、上方向へ階段状に音符を書いていき、「G5」の「ソ」より上の音(音名)を表す際には、先ほど同じように、簡易的な線を書いて、その線上、または線の上に音符を書いていきます。
このように、五線譜では、五本の線の間と線上、
または簡易的な線の 線上と 線の上下に音符を書く事で「ドレミファソラシド」の音(音名)を表します。
ピアノの黒鍵の音を五線譜に記す場合、「♯」(シャープ)と「♭」(フラット)を五線譜に書く
ただ、五本の線の間と線上、または簡易的な線の線上と、線の上下に音符を書く事では、
「ド#」や「ラ♭」などのピアノの黒鍵の音を表す事は出来ません。
ピアノの黒鍵の音を五線譜に記す場合、「♯」(シャープ)と「♭」(フラット)を五線譜に書きます。
「ド#」や「ラ♭」などの黒鍵の音(音名)を表す際には、
「臨時記号」(りんじきごう)として、「#」(シャープ) や「♭」(フラット)を音符の左側に書く方法と、
「調号」(ちょうごう)として、
「ト音記号」のすぐ右側に「#」(シャープ) や「♭」(フラット)を書く方法があります。
臨時記号としての「♯」(シャープ)と「♭」(フラット)
「臨時記号」として「ド#」や「ラ♭」などの黒鍵の音(音名)を表す際には、
このように、音符の左側に 「#」(シャープ) と「♭」(フラット) を書けばいいのですが、
「臨時記号」の場合、
その小節の範囲内までしか効力が持続しません。
※ 「小節」(しょうせつ)というのは、五線譜が読みやすいように、
「拍子記号」で定めた音符の数ごとに縦線で区切った 区分けの事を言います。
この場合、「ソ」(G4)に付いた「#」の効力は、
この小説の終わりまでしか持続しないので、
次の小節でも、「ソ#」(G4#)の音を使いたい場合には、
再び、「ソ」(G4)の音符の左側に「#」を書く必要があります。
※ また、「臨時記号」の「#」と「♭」は、
オクターブ上・オクターブ下の同じ音名の音には効力を発揮しません。
「調号」(ちょうごう)としての「♯」(シャープ)と「♭」(フラット)
それに対して「調号」(ちょうごう)では、
音部記号のすぐ右側に書いた「#」(または♭)の効力が小節などに関係なく、楽曲の最後まで持続します。
※ また、「調号」の「#」と「♭」は、
オクターブ上・オクターブ下の同じ音名の音にも効力があります。
「調号」(ちょうごう) は、楽曲の「キー」(調)を指定するために使用します。
※ 例えば、楽曲の「キー」(調)が「Key : Eメジャー」であれば、
「Eメジャースケール」の「ミ・ファ#・ソ#・ラ・シ・ド#・レ#・ミ」の音(音名)を主に使いますが、
「#」を「臨時記号」で書く場合、小節が変わるごとに「ファ」や「ソ」に「#」を書く必要があり、面倒です( > < )
ですので、楽曲の始めに「調号」を書いて、
その「キー」で主に使用される音(音名)を、楽曲の最後まで「臨時記号」を書く事なしに使えるようにします。
「調号」として「♯」(シャープ)と「♭」(フラット)を五線譜に書く際の順番
ただ、「調号」(ちょうごう) として「#」(または♭) を書く際には、
「#」(または♭) を書く五本の線の位置と、書く順番が決められています。
例えば、”「Key : Eメジャー」だから「ファ」・「ソ」・「ド」・「レ」の音(音名)の線に「#」を付けよう” という事で、
こんな感じで、「ファ」・「ソ」・「ド」・「レ」の音(音名)に当てはまる線の位置に「#」を付ける事はありません。
「調号」(ちょうごう) として 「#」 を書く際には、
「ファ」(F5) → 「ド」(C5) → 「ソ」(G5) → 「レ」(D5) →「ラ」(A4) → 「ミ」(E5) → 「シ」(B4)
という五本の線の位置と順番で「#」を書いていきます。
ですので、「Key : Eメジャー」(または平行調の「Key : C#マイナー」) の場合には、
「調号」は このように書きます。
また、「#」を付ける「調号」では、「#」の数は7つまでとなっていて、
7つまで「#」の「調号」を付けても表せない「キー」(調)は、「♭」の「調号」で表します。
「調号」(ちょうごう) として 「♭」 を書く際には、
「シ」(B4) → 「ミ」(E5) → 「ラ」(A4) → 「レ」(D5) →「ソ」(G4) → 「ド」(C5) → 「ファ」(F4)
という五本の線の位置と順番で「♭」を書いていきます。
※ 「#」と「♭」が混ざった状態で「調号」を書く事はありません。
この ”7つの「#」の「調号」と、7つの「♭」の「調号」” で全ての「キー」(調)を表すことが出来ます。
”7つの「#」の「調号」と、7つの「♭」の「調号」” が、どの「キー」(調)を表すのかは、
慣れると見ただけで分かるようになってきますが、
各「キー」(調)の調号を覚えるのは、大変だと思いますので、
「調号一覧」を見て確認しながら覚えると良いと思います。
調号には重複したものがある
ただ、注意して頂きたいのは、「調号」で表される「キー」の中に、
「キー」(調)の名前は違うけれど使う音が同じになる調号が6つあります。
音名の数は、白鍵の「ドレミファソラシ」という7つの音名と、
黒鍵の「ド#・レ#・ファ#・ソ#・ラ#」(または「レ♭・ミ♭・ソ♭・ラ♭・シ♭」) の5つの音名、
合わせて12の音名しかないので、
「メジャーキー」(長調)の調号12種類、
「マイナーキー」(短調)の調号12種類の合計24種の調号しかないはずですが、
調号一覧表を見て分かるように、
「シ」(B : ロ)と同じ音を意味する「C♭」(ド♭: 変ハ) の2つの「メジャーキー」(長調)と、
「ファ#」(F# : 嬰へ)と同じ音を意味する「ソ♭」(G♭: 変ト) の2つの「メジャーキー」(長調)、
「ド#」(C# : 嬰ハ)と同じ音を意味する「レ♭」(D♭: 変二) の2つの「メジャーキー」(長調)があり、
それらの「メジャーキー」の平行調である「マイナーキー」(短調)の調号でも同じものがあるので、
「メジャーキー」(長調)の調号15種類、
「マイナーキー」(短調)の調号15種類の合計30種類になっています。
つまり、「キー」(調)の名前は違うけれど、
”使う音が同じになる調号が6つある”、
という事です。
「F#メジャーキー」(嬰へ長調)と「G♭メジャーキー」(変ト長調) 、
どちらの「メジャーキー」(長調)にしても、
使う音が同じなので、どちらの「キー」(調)に設定しても問題ありません。
ただ、一応、「調号」の中には、
”使う音がカブる調号が6つある”、
という事を知っておいていただければと思います。
また、「転調」によって、楽曲の途中で「キー」(調)が変わる場合には、
新しく「調号」が書かれて、曲の初めの「調号」はリセットされます。