伴奏 ~ コード進行を別のコード進行へ展開させる・コード進行のつなげ方 ~ (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「伴奏」というのは、楽曲の中で、
「メロディー」を引き立てるためのハーモニーを奏でる役割のパートの事です。
※ 個人的に、「メロディー」は物語における登場人物、
「伴奏」は物語における景色や情景などの役割だと考えています ( ^ ^ )
ポップス系やロック系などのジャンルでは、
多くの場合、ピアノやギターなどの楽器でコード(和音)を鳴らして「伴奏」を作ります。
また、「伴奏」は1つのコード(和音)を鳴らし続ける訳ではなく、
「C・F・G・C」のように複数のコードを組み合わせた「コード進行」パターンにリズムを付けて作られます。
「伴奏」で使用するコード進行パターンによって、
楽曲の響きの明暗や雰囲気が作られ、
コード進行を鳴らす際のリズムによって、
楽曲の抑揚感や速度感が作られます。
「伴奏」を作る際には、まず、
楽曲をどういった響きや雰囲気にしたいのかによって使用するコード進行を選び、
次に、楽曲に疾走感をもたせたいのか、
ゆったりさせたいのかによってコードを鳴らす際の
リズムを考えると良いと思います。
ただ、「伴奏」のコード進行とリズムは、
楽曲の最初から最後まで同じコード進行とリズムを継続する訳ではなく、
楽曲の「セクション」(イントロやAメロなどの事) を展開するのに合わせて、
コード進行やコードを鳴らすリズムなどを変化させたりします。
例えば、「Aメロ」では「C・F・G・C」というコード進行を、
このようなリズムで鳴らし、
それを2回繰り返した後、
「Bメロ」では「Em・F・Dm・C」というコード進行に展開する、
と言う感じです。
※ 楽曲の各セクション(イントロやAメロなどの事)は、
多くの場合、「8小節」、または「16小節」の長さで作られ、
※ 「C・F・G・C」のように、
4つのコードが組み合わさったコード進行で、
各コードを1小節ずつ鳴らすリズムの場合には、
※ 「C・F・G・C」というコード進行をを2回繰り返して「8小節」の長さにするか、
4回繰り返して「16小節」の長さにします。
コード進行を「Aメロ」から「Bメロ」などへ展開させる時は「半終止」(はんしゅうし) を使う
ただ、そのままの流れでコード進行が変わると、
楽曲が次のセクションに展開した感じがしないので、
「Aメロ」のコード進行 (C・F・G・C) の最後のコードを
「ドミナント・コード」 (Vのコード、この場合「Gコード」) に変更して
「半終止」(はんしゅうし) にします。
そうすると、このように、
楽曲が次のセクションへ展開していく感じが強調されます。
コード進行の最後が「ドミナントコード」で終わる「半終止」にすれば、
基本的に、楽曲が次のセクションへ展開する感じになります。
コード進行の終わりを「半終止」にしても展開する感じにならないコード進行の対処法
ただ、コード進行の最後を「ドミナントコード」で終える「半終止」にしたとしても、
楽曲が次のセクションへ展開する感じにならないコード進行もあります。
例えば、「F・Em・Am・G」というコード進行では、
コード進行の終わりが元々「ドミナントコード」になっています。
コード進行の最後は「ドミナントコード」ですが、
そのまま次のコード進行へ繋げても、
次のセクションのコード進行へ展開する感じにはなりません。
このように、コード進行の終わりが元々「ドミナント」になっているコード進行の場合には、
コード進行の最後の「ドミナントコード」を長く伸ばしたり、(1小節間、または2小節間くらい)
コード進行の最後の手前のコードから
「ドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナント」の「代理コード」である
「Ⅱ」のコードに変えたりします。
そうする事で、それまでのコード進行の流れに変化を生じさせて、
コード進行の最後の「ドミナントコード」を、
楽曲が次のセクションに展開する意味合いとしての「半終止」の「ドミナントコード」に変化させます。
「ドミナントコード」の手前のコードを「Ⅱ」に変えて、
「Ⅱ」のコードから「ドミナントコード」へ移動させる事が
多いです。
※ ちなみに、「Ⅱ」のコードから「ドミナントコード」(Ⅴのコート) へ移動する事を
「トゥーファイブ」と言います。
コード進行の繰り返しが単調にならないようにするための「半終止」
「半終止」は、同じコード進行を繰り返す際に、
コード進行の繰り返しが単調にならないように、
コード進行の繰り返しの中で使用されたりもします。
例えば、「Am・Em・F・C」というコード進行を4回繰り返す際に、
2回目の「Am・Em・F・C」というコード進行の最後を「G」(「Key : C」のドミナントコード) に変更する事で、
同じコード進行の繰り返しに変化を加えて、伴奏が単調になるのを防ぐことが出来ます。
ただ、このように、コード進行の繰り返しの中で「半終止」を使用すると、
次のセクションのコード進行へ展開させるために、
4回目の繰り返しの最後を「半終止」にしても、
2回目の繰り返しでの「半終止」の印象が残っていて、
別のコード進行へ展開する感じにはならず、
まだ、同じコード進行を繰り返すような印象になります。
ですので、コード進行の繰り返しの中で「半終止」を使用した場合にも、
先ほどと同じように、
コード進行の最後の「ドミナントコード」を長く伸ばしたり、(1小節間、または2小節間くらい)
コード進行の最後の手前のコードから「ドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナント」の「代理コード」である「Ⅱ」のコードに変えたりします。
そうする事で、次のセクションのコード進行へ展開する意味合いとしての「半終止」の「ドミナントコード」に変化します。
コード進行の途中に「Ⅴ」(ドミナント) のコードが使われている場合の「半終止」
次のセクションのコード進行へ展開させるために、
コード進行の最後を「ドミナントコード」にすると、
コード進行内でのコードの繋がりに違和感が生じます。
先ほどのように、コード進行の最後の「ドミナントコード」を長く伸ばしたり、
(1小節間、または2小節間くらい)
コード進行の最後の手前のコードから「ドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナント」の「代理コード」である「Ⅱ」のコードに
変えたりしても、
悪くはないのですが、
ですので、こういうコード進行の場合には、
2つ目の「ドミナントコード」を「代理コード」の「Ⅲ」のコードに変更します。
ただ、そうすると、「F・Em・Em・G」になり、
「Em」コードが2回連続するので、
コード進行の最後の手前のコードから「ドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナントコード」に変えたり、
コード進行の最後の手前のコードを、
「サブドミナント」の「代理コード」である「Ⅱ」のコードに
変えたりするパターンを使います。
そうすると、コード進行の最後にある「半終止」の「ドミナントコード」へ向けて、
コードの繋がりに違和感が無く進んでいく感じになります。
コード進行の展開と繋げ方の まとめ
ここまで解説した内容のように、次のセクションのコード進行へ展開する際には、
とにかくコード進行を展開させる裏ワザ
もし、これまでに解説した内容が よく分からないのであれば、
少し強引なやり方ではありますが、
コード進行が何であれ、
とりあえず、コード進行の最後の4つのコードを
「Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」にすれば、
次のセクションのコード進行へ
展開していく感じにする事が出来ますので、
この方法を使ってみて頂ければと思います。
「F ・ Em ・ Am ・ G」
(Ⅳ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅴ) のコード進行の繰り返しの最後の4つのコードを「Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」にした場合
「Am ・ Em ・ F ・ C」
(Ⅵ・Ⅲ・Ⅵ・Ⅰ) のコード進行の繰り返しの最後の4つのコードを「Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」にした場合
「C ・ G ・ Am ・ Em ・ F ・ C ・ F ・ G」
(Ⅰ・Ⅴ・Ⅵ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅰ・Ⅳ・Ⅴ)
(カノン進行)
のコード進行の繰り返しの最後の4つのコードを「Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ」にした場合