楽曲の各セクションの役割と楽曲構成について(イントロ/Aメロ/Bメロ/サビ/間奏/アウトロ) (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
世の中には様々なジャンルの音楽がありますが、
ほとんどのジャンルで、楽曲は複数のセクションを組み合わせて作ります。
「セクション」というのは、「イントロ」や「Aメロ」、「サビ」と呼ばれるものの事です。
※ 「セクション」という言葉は、”分割された部分” という意味があり、
楽曲の中で使うリズム楽器類の事を指して「リズム・セクション」と言うように使ったり、
楽曲の中で使う金管楽器類の事を指して「ブラス・セクション」と言うように使ったりもしますが、
ここでは、「Aメロ」や「Bメロ」などの意味合いとしての「セクション」について解説していきます。
また、楽曲のセクションを「Aメロ」や「Bメロ」と呼ぶのは日本特有らしく、
海外では、「Aメロ」を「Verse」(詩)、「Bメロ」を「Bridge」(橋)、というように呼びます。
- イントロ は 「Introduction」 (イントロダクション = 導入)
- Aメロ は 「Verse」 (バース = 詩)
- Bメロ は 「Bridge」 (ブリッジ = 橋)
- サビ は 「Chorus」 (コーラス = 合唱)
- 間奏 は 「Interlude」 (インタールード = 間奏)
- アウトロ は 「Ending」 (エンディング = 結末)
「イントロ」・「Aメロ」・「サビ」など、
楽曲を構成している各セクションは、
2の倍数、または4の倍数の小節数で作られる事が多く、
多くの場合、「8小節」か「16小節」で作られます。
また、各セクションごとに役割があり、
それぞれの名称に合った役割の雰囲気になるように作られます。
イントロの役割
楽曲の始まりにある「イントロ」というセクションは、
「導入」(イントロダクション / Introduction)の意味で、
楽曲における「導入」を行うためのセクションです。
「イントロ」は「前奏部」とも呼ばれ、
これから始まる楽曲が ”どういった楽曲なのか” という、
楽曲全体の方向性や雰囲気作りを行う役割を担っています。
ですので、激し目の楽曲にしたい場合には、
「イントロ」セクションが激しくなるように「伴奏」や「ビート」などの各パートを作り、
ゆったりと落ち着いた楽曲にしたい場合には、
「イントロ」セクションをゆったりと落ちついた雰囲気になるように伴奏やビートを作ります。
多くの場合、「イントロ」では、「ボーカル」の歌は入れません。
「イントロ」にメロディーを入れる場合には、
ギターやピアノなどの楽器でメロディーを奏でます。
Aメロの役割
次の「Aメロ」というセクションでは、
歌が入る楽曲において、楽曲のメインパートとなる「ボーカルのメロディー」を始める役割を担っています。
「Aメロ」で始まる「ボーカルのメロディー」と「歌詞」によって、
「Aメロ」以降のセクションにおける「ボーカル」のメッセージ性が定まってきます。
「Aメロ」で始まる「ボーカルのメロディー」や、「伴奏」、「ビート」といった各パートは、
多くの場合、盛り上がり過ぎず、なおかつ、落ち着き過ぎない、
という程良いバランスの雰囲気になるように作られます。
Bメロの役割
次の「Bメロ」というセクションは、
「Aメロ」の「ボーカル」によるメッセージ性を、
「Bメロ」の次のセクションである「サビ」に繋げるための役割を担っていて、
「Bメロ」に入れる「ボーカルのメロディー」や、「伴奏」・「ビート」などの各パートは、
多くの場合、「Aメロ」よりも落ち着いた雰囲気になるように作られます。
サビの役割
次の「サビ」というセクションは、
楽曲における一番の山場で、楽曲を最も盛り上げて、
楽曲のメッセージを最も強調する役割を担っています。
ですので、「サビ」の「ボーカルのメロディー」や、「伴奏」・「ビート」などの各パートは、
多くの場合、楽曲の各セクション(Aメロ・Bメロなど)の中で、
楽曲のメッセージが最も強調されるように、最も派手に、華やかになるように作られます。
間奏の役割
次の「間奏」というセクションは、
「サビ」セクションで盛り上がった雰囲気を少し落ち着かせて、
「間奏」の次のセクションである「2回目のAメロ」(A’メロ = エーダッシュメロ) へ繋げる役割を担っています。
ですので、「間奏」の「伴奏」・「ビート」などの各パートは、
多くの場合、「サビ」で盛り上がった楽曲の雰囲気を ある程度引き継ぎながら、
「2回目のAメロ」に入りやすいように、
「間奏」の終わりに向けて、少し落ち着かせていくように作られます。
また、多くの場合、「間奏」では、「ボーカル」の歌は入れず、
「間奏」にメロディーを入れる場合には、
ギターやピアノなどの楽器でメロディーを奏でます。
A’メロ (エーダッシュメロ) ・ B’メロ (ビーダッシュメロ)・サビ2 の役割
次の「A’メロ」(エーダッシュメロ)は、
「2回目のAメロ」としての役割を担っていて、
基本的に、「A’メロ」は、「Aメロ」と同じ伴奏やメロディーを使います。
「B’メロ」(ビーダッシュメロ)と「サビ2」も、
同じように「2回目のBメロ」、「2回目のサビ」としての役割を担っていて、
基本的に、「B’メロ」は「Bメロ」と同じ伴奏やメロディー、
「サビ2」は「サビ」と同じ伴奏やメロディーを使います。
「イントロ」⇒「Aメロ」⇒「Bメロ」⇒「サビ」 というセクションだけでは、
楽曲として少し短いですし、
初めて聴く曲で、「Aメロ」・「Bメロ」・「サビ」を それぞれ1回だけしか聴かせない曲だと、
メロディーなどが印象に残りづらいです。
また、人間の感覚として、
同じものが反復していると心地よく感じる感覚があります。
ですので、「イントロ」⇒「Aメロ」⇒「Bメロ」⇒「サビ」
というセクションによる流れを、
「間奏」セクションによっていったんリセットした後、
再び、「A’メロ」⇒「B’メロ」⇒「サビ」
というセクションの流れで楽曲を進められる事が多いです。
※ ただ、単純に同じ繰り返しだと飽きてしまうので、
「A’メロ」・「B’メロ」・「サビ2」では、
ビートを少し変えたり、フレーズを付け足したり、
音を抜いたりして、少し変化を加えます。
アウトロの役割
最後の「アウトロ」(Outro)というセクションは、
楽曲を終わりへ導くための役割を担っています。
「サビ2」で楽曲が盛り上がった後、
急に楽曲が終わると少し違和感が出てしまいます。
ですので、その違和感を無くすために、
「アウトロ」で、「サビ2」の盛り上がりを引き継ぎながら、
徐々に楽曲が終わる方向へと導いていきます。
そのため、「アウトロ」における「伴奏」や「ビート」などの各パートは、
「サビ2」の盛り上がりをある程度引き継ぎながら、
徐々に落ち着かせて楽曲が終わるように作られます。
色々な楽曲構成
各セクションごとに役割があり、
それぞれの名称に合った役割の雰囲気になるように各セクションは作られます。
ただ、必ずしも、紹介したようなセクションの順序で曲を作らなければいけないという訳ではありません。
「楽曲構成」(セクションの組み合わせ方・順序) は、
作りたい楽曲のイメージによって自由に変更します。
世の中にある多くのポップス系楽曲でも、
「サビ」から始めたり、「Aメロのボーカルの歌い出し」から始めたりする楽曲があります。
「サビ」から楽曲を始めた場合、
聴いている側にインパクトを与えて、
一気に楽曲へ惹きつける事が出来ます。
※ 「サビ」から楽曲を始める際には、
曲の始めの「サビ」の後に「イントロ」、
というパターンが多いです。
また、「イントロ」セクションを無くして、
「Aメロのボーカルの歌い出し」から楽曲を始めると、
ボーカルの歌がいきなり始まるので、
聴く側が ”どういう曲だろう” と興味を持ち、
楽曲自体に惹き込まれやすくなります。
また、「Aメロのボーカルの歌い出し」から始める楽曲で、
「Aメロ」の後に「イントロ」をもって来たりする事も多いです。
また、先ほど、「アウトロ」について説明した際に、
”「サビ2」で急に終わると違和感が生じる”、
という説明をしましたが、
「サビ2」の終わり方を調節する事で、
「サビ2」で楽曲を終わらせるパターンもあります。
このように、楽曲構成は、様々なパターンがあり、
作りたい楽曲のイメージに合わせて、
各セクションを好きなように組み合わせます。
※ また、先ほど説明したように、「Aメロ」と「A’メロ」、
「Bメロ」と「B’メロ」、「サビ」と「サビ2」は同じ伴奏とメロディーにするので、
使用するコード進行が同じになりますが、
それらのセクションだけでなく、
「イントロ」と「Aメロ」で同じコード進行を使ったり、
「イントロ」と「サビ」で同じコード進行を使ったりもします。
また、楽曲を通して、ずっと同じコード進行を使ったりもします。
コード進行パターンによって、響きの雰囲気などは違いますが、
盛り上がり方や、疾走感などは、
コード進行とメロディーに付けるリズム、ビートのパターン、
サウンドのエフェクトなどによって調節する事が出来ます。
ですので、このセクションの時は
”このコード進行を使わないといけない”、
という事は無く、
”各セクションで異なるコード進行を使わないといけない”、
という事もありません。
「Aメロ」と「Bメロ」が同じコード進行であっても、
コード進行に付けるリズムや、
「Aメロ」と「Bメロ」のメロディーを変えたりする事で、
別のセクションとして聴こえますし、
それぞれのセクションの役割に沿った雰囲気に作る事が出来ます。