Audacity (オーダシティ) の 使い方 – ピッチの変更 (音の高さの変更) (テキストと画像での解説)
※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。
「Audacity」(オーダシティ) では、
オーディオデータの速度を変えずに ピッチ (音の高さ) を変化させる事が出来ます。
ピッチ (音の高さ) を変えるには、まず、
ピッチを変えたい箇所を範囲選択します。
ピッチを変えたい箇所を範囲選択したら、
画面上部の「エフェクト」をクリックして、
その中の「ピッチの変更」をクリックします。
「ピッチの変更」をクリックすると、
「ピッチの変更」画面が表示されます。
「ピッチ」という設定項目の説明
「ピッチの変更」画面の
「ピッチ」という箇所では、
選択範囲の先頭の音の高さを
自動で分析して割り出して、
その音の高さをアメリカ音名で
「ピッチ」という箇所の左側に表示します。
「アメリカ音名」というのは、
「ドレミファソラシド」を「CDEFGABC」で表す音名の事です。
「ドレミファソラシド」は イタリア音名で、
日本音名 では 「ハニホヘトイロハ」 と言います。
「C4」や「D5」のように、
音名の右側に付く数字は、
どの高さの「ド」(C) や
「レ」(D) なのかを表すもので、
「C4」は、ピアノの鍵盤だと、
この位置の「ド」(C) を表していて、
「D5」は、ピアノの鍵盤だと、
この位置の「レ」(D) の事を表しています。
今回の場合、
左側のプルダウンメニューには「F#/G♭」、
入力欄には「1」と表示されているので、
選択範囲の先頭の音の高さは、
自動分析機能によって「F#1」(G♭1) の高さの音として割り出された、という事です。
「ピッチ」の左側の値は固定ではなく、
プルダウンをクリックして音名を変更したり、
その音名が どの高さの音なのかを、入力欄の数字を変更したりして、
自分の好きなように設定する事が出来ます。
「ピッチ」の右側の箇所では、
変更したい音の高さをアメリカ音名で設定する事が出来ます。
左側が「F#1」(G♭1)、
右側を「C2」に設定した場合、
選択範囲の音の高さを 3音 (半音6つ) 高い音に変化させる事になる。
左側が「F#1」(G♭1)、
右側を「C3」に設定した場合、
1オクターブ と 3音 高い音に
変化させる事になります。
(半音18個)
変化する音の高さの差は、
「音程差 (半音)」という箇所に
半音の数で表示され、
「音程差」の箇所に数字を入力する事でも、
変化させたい音の高さを設定する事が出来ます。
※ 「音程差(半音)」に「16」と入力した場合、
1オクターブ と 2音 高い音に変化させる事になります。
「ピッチ」の左右のアメリカ音名を変えたり、
「音程差」の箇所の数字を変えたりすると、
互いに連動して値が変わり、
下の「周波数」という箇所にある「変更前」・「変更後」・「変更率」という箇所の値も変化します。
「周波数」という設定項目の説明
「ピッチの変更」画面の「周波数」という箇所では、
選択範囲の先頭の音の高さを
自動で分析して割り出した周波数(Hz)の値が
「変更前」という箇所に表示されます。
※ 音における「周波数」(Hz/ヘルツ)というのは、
”1秒間における空気の振動回数” の事です。
「周波数」という箇所の左側(変更前)の値も、
数値を入力して変更する事が出来ます。
「変更後」という箇所では、
変化させたい周波数(Hz)の値を
設定する事が出来ます。
変化する音の高さの比率は、
「変更率 (%)」という箇所にパーセント (%) で値が表示され、
「変更率」に数字を入力したり、
フェーダーをドラッグして動かす事でも変化させたい音の高さを設定出来ます。
※ 「変更率」の値が「100%」で 1オクターブ上、
「300%」で 2オクターブ上、
「700%」で 3オクターブ上の音に変化します。
また、「周波数」の項目の値を変更すれば、
「ピッチ」の項目の値も連動して変化します。
「高品質な伸縮を使用 (低速)」というチェック項目の説明 (「ピッチの変更」画面)
「高品質な伸縮を使用 (低速)」という項目にチェックを入れると、
ピッチの変更処理に時間がかかるようになりますが、
ピッチの変更時の音質劣化を抑えてくれるので、
「高品質な伸縮を使用 (低速)」 という項目にはチェックを入れておきましょう。
「プレビュー」ボタンの説明 (「ピッチの変更」画面)
また、「プレビュー」ボタンをクリックすると、
ピッチの変更後の状態を試聴する事が出来ます。
ピッチの変更の実行・再生確認
ピッチの変更の設定が完了したら、
「OK」ボタンをクリックします。
ピッチの変更の処理が始まります。
選択範囲のオーディオデータが多い場合には、ピッチの変更処理に数分かかります。
これで、元のオーディオデータのピッチから、
変化させたピッチの状態になりました。
この2つのオーディオデータは、
元は同じオーディオファイルのデータで、
上のオーディオデータが、
ピッチ (音の高さ) を 高くした状態です。
ピッチ変更前の音声データそれでは、元のオーディオデータを聴いてみます。
それでは次に、ピッチ (音の高さ) を高くしたオーディオデータを聴いてみます。
Audacity では、このように、
速度 (またはテンポ/BPM) を変えずに ピッチ (音の高さ) を変える事が出来ます。
※ 当たり前かもしれませんが、
音声データというのは ピッチ (音の高さ) を変更すると、音質は変化してしまうので、
その点を考慮して、ピッチの変更を行いましょう。