【MMDの使い方】物理演算 ~ オン/オフモード・常に演算・トレースモード・演算しない ~

【MMDの使い方】物理演算 ~ オン/オフモード・常に演算・トレースモード・演算しない ~     (テキストと画像での解説)

※ テキストと画像での解説内容は、動画での解説内容と同じものとなっています。

MMDには、モデルの「髪の毛」や「洋服」に対して「物理演算」処理を施す機能が備わっています。

※ 「物理演算」というのは、髪の毛や洋服などの物体を現実の物理法則に基づいて動くようにするための演算処理の事です。

※ ちなみに、物理演算を行うためのソフトウェアを「物理演算エンジン」(または物理エンジン)と言います。

MMDのモデルの髪やスカートにもボーンは付いている

MMDに読み込んだモデルの「髪の毛」や「洋服」にはボーンが付いていますが、

「髪の毛」や「洋服」の動きを現実と同じように動かそうとする場合、
「髪の毛」や「洋服」のボーンの調節に膨大な作業が必要になります。

そのため、ほとんどのモデルでは、
「髪の毛」や「洋服」などの箇所に対して、
「物理演算」処理を施せるようになっています。

「髪の毛」や「洋服」などに「物理演算」処理が適用されるようにする事で、

このように、モデルのモーションに合わせて、
「髪の毛」や「洋服」が現実の物理法則に基づいた動きをするようになります。

MMDを起動した初期状態だと物理演算処理が適用されている

※ MMDを起動した初期状態だと「物理演算」の処理が自動的に適用されるようになっています。

「髪の毛」や「洋服」などの箇所に対して「物理演算」処理を適用する設定にすると、
「物理演算」処理されるボーンはメイン表示画面のモデルに表示されず、
それらのボーンの調節は行えなくなります。

MMDの1フレーム目における初期状態のキー
MMDの1フレーム目における初期状態のキー
MMDの1フレーム目における初期状態のキー

※ フレーム操作パネルの「0フレーム」目にある各ボーンの初期状態のキーにおいて、

キーの形状が「×」マークになっているボーンは、
「物理演算」処理が適用されるボーンです。

キーの形状が「×」マークになっていないボーン(腕や足など)には、
「物理演算」処理を適用する事は出来ません。

物理演算の ON / OFF の切り替え方 と 物理演算モードの種類

MMD画面上部の「物理演算」項目

モデルの「髪の毛」や「洋服」などに対して「物理演算」処理を適用するかどうか(ON と OFF)は、

メニューバーの「物理演算」項目で設定する事が出来ます。

「物理演算」項目の上部の4つの項目

メニューバーの「物理演算」項目をクリックすると、
上から順に、

  • オン/オフモード
  • 常に演算
  • トレースモード
  • 演算しない

という 4つの項目が表示されます。

この4つの項目で、物理演算の処理モードを設定する事が出来ます。

「オン/オフモード」の使い方

オン/オフモードをクリック
オン/オフモードだと停止時と再生時で物理演算が適用される

「オン/オフモード」をクリックしてチェックが入っている状態にすると、

停止時 (ボーンを調節している時など) と、
再生時 (映像の再生時)、
どちらにおいても「物理演算」処理が適用され、

「物理演算」が適用されているボーンは非表示になります。

個別にボーンの物理演算をOFFにする方法

「物理」ボタンを消灯してキー登録する
物理演算を個別にOFFに出来る

ただ、フレーム操作パネルで、
「物理演算」が適用されるボーンを選択した状態で、

ボーン操作パネルの「物理」ボタンを消灯状態にしてキー登録を行うと、

そのボーンの段に「◇」マークのキーが登録され、

「◇」マークのキーを登録したフレーム位置から、
停止時、再生時、どちらにおいても、

そのボーンに対しての「物理演算」処理が「OFF」になり、
モデルに そのボーンが表示され、
腕や足などのボーンと同じく調節を行う事が可能になります。

「物理」ボタンを消灯状態にして「◇」マークのキーを登録すると、
「物理演算」が適用されるボーンの「物理演算」処理を個別に「OFF」にする事が出来ます。

「物理演算」処理された洋服や髪の毛が肉体部分と接触したかどうかの判定は万能ではなく、
モデルの動きが激しかったり、動きが複雑だったりする場合には、
足がスカートを貫通したり、髪の毛が体を貫通したりする映像になってしまう事があります。

そうした映像になってしまった場合に、
貫通しているスカートや髪の毛のボーンの「物理演算」処理を個別に「OFF」にして、
貫通しない様に手作業でボーンを調節します。

※ ボーン操作パネルの「物理」ボタンで、
ボーンの「物理演算」処理を個別に「OFF」にする方法については、
別の動画で解説していきます。

「常に演算」の使い方

「常に演算」をクリックする

メニューバーの「物理演算」項目の「常に演算」をクリックしてチェックを入れると、

「オン/オフモード」と同じく、
停止時と再生時、どちらの場合も「物理演算」処理が適用されます。

「常に演算」を選択すると物理演算を個別にOFFにできない

ただ、「常に演算」を選択した場合は、
ボーン操作パネルの「物理」ボタンを消灯状態にして「◇」マークのキーを登録したとしても、
ボーンの「物理演算」処理を個別に「OFF」にする事は出来ません。

「トレースモード」の使い方

トレースモードを選択する

メニューバーの「物理演算」項目の「トレースモード」をクリックしてチェックを入れると、

停止時 (ボーン調節時など) には「物理演算」処理が適用されず、

再生時にだけ「物理演算」処理が適用されます。

トレースモードを選択すると髪の毛やスカートのボーンが表示される

また、「トレースモード」では、
「物理演算」が適用されるボーンも表示されるようになり、

シークバーを右へ移動させる事で、
物理演算処理が適用されている状態の変化をトレース(追跡)する事が出来ます。

シークバーを左に移動させた場合には、
「物理演算」処理が適用されていない状態になります。

また、どこかしらのフレーム位置をクリックした後、
シークバーを移動させた場合、

そのフレーム位置から「物理演算」処理が適用され始めるようになるので、
足がスカートを貫通する映像として表示される事が多いです。

「トレースモード」を使う際には、
その点に注意しましょう。

「演算しない」の使い方

「演算しない」をクリックする

メニューバーの「物理演算」項目の「演算しない」をクリックしてチェックを入れると、

停止時、再生時、どちらの場合にも「物理演算」処理が適用されなくなります。

「演算しない」を選択するとボーンが表示される

また、「物理演算」処理の対象となるボーンが表示されるようになります。

「再生時には常にオン/オフモードにする」にチェックを入れる
「再生時には常にオン/オフモードにする」にチェックを入れた

※ ただ、メニューバーの「物理演算」項目の「再生時は常にオン/オフモードにする」をクリックしてチェックを入れると、

「演算しない」を選択、
または、他のモードを選択していても、
再生時には「オン/オフモード」の状態で「物理演算」処理が適用されるようになります。

物理演算処理を使うとMMDが重くなる場合の対処法

MMDではトレースモードのなどの物理演算モードを切り替えて映像を作る

MMDでは、これら4種類の物理演算のモードを使い分けて、
現実の物理法則に基づいた髪の毛やスカートの動きを作りつつ、
髪の毛やスカートが体を貫通しない映像を作っていきます。

ただ、「物理演算」処理は、
CPUに負荷がかかりやすく、
「物理演算」処理を「ON」にすると
「MMD」の動作が重くなってしまうことがあります。

そうした場合には、
” ボーンの調節時は「演算しない」を選択して、
映像を再生して確かめる際にだけ「オン/オフモード」に切り替える” 、
というように設定を使い分けましょう。

それでは以上で、 ”物理演算~ オン/オフモード・常に演算・トレースモード・演算しない ~ ” についての解説は終了となります。

お疲れ様でした!! m(^ ^)m

※ 映像を作成する際に使用しているMMDのモデルデータは、マウスコンピューターさんのゲーミングPCブランド「G-Tune」のキャラクターである「Tuneちゃん」や「Tuneちゃんの家」、「G-Tune製品などのMMDモデルデータを使用しています。

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